PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
墨跡つき仏像カレンダー2022
PR
翠雲堂

禅についての十五章…孫昌武著・衣川賢次訳

2021年12月20日 15時17分
禅についての十五章

禅思想史研究はどうしても法脈が中心となり、日本伝来以前の中国禅も46伝24流という宗学的枠組みの源流をたどる形になりがちだ。唐代禅の革新性などが指摘されることはあっても、それを支えた社会的現実の分析が本格的になされることは少ない。

中国の宗教文化、唐宋文学の研究者である著者は、仏教の「中国化」を示す禅の歴史を、社会構造の変化を参照し、僧団の経済的自立への影響、活動を支える士庶の状況を説明しつつたどり、その思想的独自性を分析。日本の禅宗史研究で足らざる部分を補う。

例えば、馬祖道一の洪州宗に至って、叢林は経済単位として自立し、民衆的、非政治的、非倫理的、非煩瑣哲学的な自修自度を趣旨とする僧団ができた。仏教の「中国化」を徹底させた産物、中国仏教の創造であった(第十章)と著者は評する。また、臨済義玄について、「主人公」の教え、激烈な反権威の宗風の背景に、晩唐期の朝廷に反逆的な有力藩鎮との「相互依存関係」を指摘する。

訳者の言葉を借りれば、――「下部構造が上部構造を規定する」などと著者はむろん言わないが、中国人学者らしい所説――が随所に見られる。原書は2016年刊。『中華読書報』年間ベストテンで40数万種の出版物の中の「十大好書」に選ばれた。

定価7700円、東方書店(電話03・3294・1001)刊。

上皇と法皇の歴史 仙洞年代記

上皇と法皇の歴史 仙洞年代記…槇道雄著

1月21日

我が国の天皇制の歴史は、国体の変遷と一体的に展開している。大和政権成立の初めから、象徴天皇制の現憲法下で天皇自らが退位を表明し、憲政史上最初の上皇が誕生するという今日に及…

寺院経営がピンチ! 坊さんの覚悟

寺院経営がピンチ! 坊さんの覚悟…瑞田信弘著

12月24日

浄土真宗本願寺派稱讃寺住職の著者が、人々の既存仏教への関心の薄れや法事への価値観の低下、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い葬儀や法事が縮小傾向にあることを受けて寺院の今後…

思いがけず利他

思いがけず利他…中島岳志著

12月23日

「利他的であろうとすると利他が逃げていくのだったら、わたしはどうすればいいのか」。本書は「利他」を巡る矛盾を「わたし」自身への問いとして引き受け、読者に問う。新型コロナウ…

包括・被包括の観点で 宗派の未来目指す予算に

社説1月21日

1・17から27年 語り伝える努力を

社説1月19日

日常の中の仏行 「百丈清規」の現代的意義

社説1月14日
このエントリーをはてなブックマークに追加