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ボン教-弱者を生き抜くチベットの知恵…熊谷誠慈編著

2022年2月24日 12時53分
ボン教-弱者を生き抜くチベットの知恵

土着宗教としてチベット・ヒマラヤ地域に息づく「ボン教」は、8世紀に国教の地位を仏教に奪われた後、1200年の間、宗教マイノリティーとして弾圧を受けながらも生き残ってきた。多数派の仏教徒とは闘わず、しかし自らのアイデンティティーは誇りを持って守ってきた。

仏教伝来後、ボン教(古ボン教)は785年のボン教禁止令などによって衰退したが、1017年にシェンチェン・ルガが多数のボン教の埋蔵経典を発見したことを契機に復興した(新ボン教)。1978年にはチベット亡命政府が四大仏教宗派にボン教を加えて五つを伝統宗派と認め、差別も禁止した。

ボン教はかつて動物供犠を含む原始的儀礼を行っていたとされるが、積極的に仏教と学術的交流をして、高度な教義が成立した。

編著者の熊谷誠慈・京都大准教授は「困難な社会を弱者として生き抜くためのヒントをボン教から学びとること」ができるとする。フレキシビリティー(柔軟性)とレジリエンス(弾力性)を切り口に、7人の著者が歴史や教義、思想のほか、瞑想修行の体験談なども交えて多角的に概観している。

相手に勝つのではなく折り合いをつけるボン教の知恵は、不透明なポストコロナ時代を生きる私たちに貴重な示唆を与えてくれる。

定価2530円、創元社(電話06・6231・9010)刊。

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