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仏教者 柳宗悦 ―浄土信仰と美―…岡本勝人著

2022年6月3日 09時49分
仏教者 柳宗悦 ―浄土信仰と美―

宗教哲学者であり民藝運動の創始者として知られる柳宗悦(1889~1961)。本書は、柳の民藝美学の基盤を浄土思想に求めた評伝となっている。柳は、鈴木大拙を師と仰ぎ、海外の宗教思想・哲学を吸収しつつ、浄土信仰とも接近。それは「汎神論的な自然思想や神秘主義思想に通ずる世界から否定神学を経て、東洋思想としての不二(即如)の世界に至るもの」であったと評される。

その一つの契機として、1924年の木喰仏との出会いが挙げられている。当時無名だった江戸時代の廻国行者・木喰上人による素朴な作仏への調査と研究は、その後の仕事の原点として大きな意味合いを持ったという。

柳は、近代日本にあって江戸時代の宗教や文化、行動に対する見直しを提言。庶民の日常雑器である「下手物」を「民衆的工藝」、すなわち「民藝」として位置付ける。その上で「倫理性や宗教性なくして、民藝運動はない」と断じている。実用を旨とする職人、工人の無心と、無心に信心する妙好人とを等価と見なし、「他力の美」として思索。信仰と生活が密接に結び付く美学を構築していく。

「民藝品」への思索は具体の現象と美の抽象が交錯するものであり、「禅から浄土教を両義的に解釈する独自の宗教と民藝をつなげる美の活動であった」と著者は論じている。

定価3080円、佼成出版社(電話03・5385・2323)刊。

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