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宗教文化講座 翠雲堂

明治維新と神代三陵 廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道…窪壮一朗著

2022年7月5日 12時10分
明治維新と神代三陵 廃仏毀釈・薩摩藩・国家神道

記紀の神々の墓を日本政府が今も管理している事実はあまり知られていない。天孫降臨した瓊瓊杵尊、海幸山幸神話の彦火火出見尊、神武天皇の父とされる瓊瓊草葺不合尊の陵は、1874年に明治天皇が鹿児島県内に定めた。一般に、宮崎県が神代三代の神話の舞台とされる中、なぜ鹿児島県なのか、「神話の現実化」の実像の解明に挑む。

興味深いのは、政府への出仕を拒み続けた薩摩藩国父の島津久光への慰撫策が影響したという見方だ。久光は倒幕の功労者だが西欧化に落胆していた。西郷隆盛の案で慰撫の行幸が行われ、天皇は鹿児島で神代三陵を遥拝した。幕末から続く天皇陵調査でも想定されていなかった神代三陵が突然浮上したのだ。

この遥拝は久光の腹心で薩摩藩出身の国学者の田中頼庸が建白したものだった。頼庸は薩摩藩や教部省で神道国教化政策を進めた。後に神宮大宮司・神宮教初代管長となる。彼は建白書の中で鹿児島は「皇祖以来三世ノ旧都」であると述べている。狙いは鹿児島こそ天皇家のルーツとして「鹿児島の聖地化」を図ったのだと著者は指摘する。

明治宗教史で、長州藩と結び付いた津和野派は注目されるが「薩摩派」研究はまだ少なく興味深い。近代に出現した神代三代を祀る「神宮」群との関係の考察も求められる。

定価1870円、法藏館(電話075・343・5656)刊。

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