PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
墨跡つき仏像カレンダー2025

日本仏教を変えた親鸞の独自性 『教行信証』と『選択集』の比較から見えてきた、念仏の真価…根津茂著

2024年9月12日 12時08分
日本仏教を変えた親鸞の独自性 『教行信証』と『選択集』の比較から見えてきた、念仏の真価

一般企業に勤めた後、真宗大谷派の僧侶となった著者が、親鸞の『教行信証』から学んだ教えを法然の『選択本願念仏集』と照らし合わせながらまとめた。著者は両書を同時に学ぶことによって法然門下の対立を親鸞がどのように考えていたのか、法然と親鸞の微妙な差異も分かるとする。

著者は教行信証について、選択集を擁護弁明し、その真実性を明らかにするために書かれたと位置付ける。新しい仏教の宣言書である選択集は、専修念仏のラジカルさから朝廷や従来の聖道門仏教を刺激して弾圧を受けたが、親鸞は、七高僧をはじめ様々な宗派の祖師が念仏を称賛してきた歴史を教行信証で描くことで、専修念仏が伝統に裏打ちされた教えであることを確かめた。

意外にも教行信証で法然の言葉を引用するのは1カ所しかない。そのため「法然に対する評価が軽い」との見解もあるが、これを否定し、反論の書であるため選択集自体からの引用は少ないと説く。しかも引用方法には特別な意図があるとし、冒頭と結論部分を抜き出すことで選択集の全文を入れる構造になっているのだとする。結論の「仏の本願に依るがゆえに」を踏まえ、親鸞は、回向するのは人間ではなく仏であり、念仏は自力の行ではないことを強調しているとする。

定価1980円、法藏館(電話075・343・0458)刊。

高楠順次郎と近代日本

高楠順次郎と近代日本…武蔵野大学高楠順次郎研究会編

1月23日

近代日本を代表する仏教学者・高楠順次郎(1866~1945)の多分野にわたる功績について、様々な視点から多角的に考察し、その全体像を明らかにしようとする一冊。日本における…

禅に学ぶ精神分析 無意識と絶対無

禅に学ぶ精神分析 無意識と絶対無…西村則昭著

1月22日

フランスの哲学者ジャック・ラカン(1901~81)の思想を用いて禅を読み解くという新しい視座から、西洋の哲学や精神分析では捉えることのできなかった本来自己の存在の真相に迫…

傅益瑶作品集 一茶と芭蕉

傅益瑶作品集 一茶と芭蕉…傅益瑶著

12月23日

著者の傅益瑶氏は、中国江蘇省南京市生まれの画家。水墨山水画の巨匠・傅抱石氏の娘で、1979年に国費留学の第1期生として来日した。 創価大で日本語を学び、81年に武蔵野美術…

ブータンの映画から 「幸せ」と「近代化」とは(1月17日付)

社説1月22日

国家安全保障 国益と宗教の自由(1月15日付)

社説1月17日

30年経ても変わらぬ 被災者を苦しめる国柄(1月10日付)

社説1月15日
このエントリーをはてなブックマークに追加