高齢者に安心 火を使わず香る線香 若林佛具製作所

天保元(1830)年創業の仏壇・仏具メーカー、若林佛具製作所(京都市下京区)は、線香の新ブランド「hito/toki(ひととき)」を発表した=写真。火を使わずに香りが拡散するディフューザータイプのフレグランスで、子どもや高齢者がいて火を使いにくいスペースでも安心して香りを立てることができる。
一般的なディフューザータイプのフレグランスは、芳香液の入った瓶にリードスティックを浸して香りを拡散させる。
一方、ひとときは芳香液に浸したリードスティックを香立てに立て、香りを拡散させる。必要な時に必要な分だけ香りを立てることができ、線香と同じ感覚で使えるという。火こそつけないが「線香の所作」により、仏前に香を献じて祈りの場を形作る(実用新案登録済み)。
香りは3種類あり、それぞれに心の安らぎやぬくもり、清涼感が感じられる。商品名に見られるように仏事に限らず、日常のほんの「ひととき」でも心穏やかに過ごせるよう、ほのかで優しい香りに調合されている。
通常タイプの短寸サイズ(9センチ)の線香もあり、香料・香立てはいずれもハンドメイド。
若林智幸社長は「仏事用として、芳香液に浸したリードスティックを立てるという『所作』がとても大切。線香と同じ感覚で使えるように工夫した。仏具店が提案する新しいお線香の形」と話す。
本体価格はディフューザータイプが3400円、線香タイプが2900円。進物用の3個入りギフトボックスもある。
京都本店はじめ各店、家庭用仏壇仏具のオンラインショップ「なごみ工房」、電話075(342)0373=で販売する。