金具取り付けブロック塀倒壊防止 大林

寺社の外塀に多く使われているブロック塀は、老朽化すると地震発生時に倒壊し、参拝の檀信徒がけがをするなどの事故につながる恐れがある。山門をはじめ、本格和風木質門・塀や耐震門・塀を開発製造する大林(岐阜県郡上市)は、効果的な対策としてコンクリートブロック塀等耐震補強金具「FITパワー」を開発し、高い評価を受けている。
高さ1・2㍍以上の外塀の場合、補強する控え壁の設置が法律で義務付けられているが、設置されていない、あるいは法律に準じた設置がなされていないことが多い。また控え壁や従来の補強金具は突出部が大きく、建物などが隣接している場合、動線を完全にふさいでしまう。
一方、FITパワーは突出部が約65㍉と小さく、動線を確保したまま耐震補強ができ、控え壁に比べ4倍を超える耐転倒性を発揮。大掛かりな工事は不要で、今あるブロック塀を生かして補強できる。さらに設置後の外観を整える化粧プレートも今後展開する予定。
岐阜大工学部の指導の下に行った実証実験で、FITパワーの耐震性や安全性は確認され、特許も取得済み。防災安全協会から「防災製品等推奨品」の認定を受けており、公共施設や学校など多くの納入実績がある。
大林の片桐良夫本部長は「参拝者の少ない今こそ、普段できない安全点検や修繕をお勧めします」と語る。
問い合わせは同社=電話0575(63)1021。