エアー鉋で美観再生 木部の汚れを除去 浜屋

仏壇・仏具の大手、浜屋(兵庫県姫路市)は、木部再生のための新技術「エアー鉋」工法により浄土真宗本願寺派西法寺(大阪市此花区)の山門の美観を再生した。
エアー鉋工法とはグランドラインが開発した特許技術で、植物性粉体と空気を混合して対象物に噴射し、木材表面の汚れや劣化層、腐朽菌、既存の塗膜を除去し、美観を再生する。従来の鉋では不可能とされる曲線や細やかな彫刻部分にも施工でき、寺社建造物にも対応可能という。化学薬品を使わないので木材を傷めることなく本来の美しさをよみがえらせ、国宝級の文化財にも多数採用されている。
劣化部分を除去した後は、防水・防腐など目的に合わせて選んだ塗料を塗布し、保護処理する。数年ごとにメンテナンスすることで再生した美観が長期にわたって維持できるという。
西法寺の山門は1999年の建造で、龍の彫刻などが施されている。最近傷みが見え始め、劣化層の除去と良質な木部を保護するため同工法を採用。施工は姫宮実業が担当、エアー鉋の取り扱いは寺社建築を多数手掛ける宮大工が手掛けた。
防塵のため山門周囲の建物には板を立て養生。複雑な造形の梁の彫り物にエアー鉋をかけると、劣化層が除去され白く美しい木部が現れた=写真。5日かけて作業は完了した。
岡崎宗徳住職は「ここまで美しくなるとは思っていなかった。新築の時を思い出す。ちょうどいい風合いに仕上げてもらった」と感想を話した。
問い合わせは同社=フリーコール(0120)161694。