仏足石、文様表現細かく 石彫家・長岡和慶氏
産業2021年12月25日 09時45分

石彫家・長岡和慶氏(愛知県岡崎市)はこのほど、神奈川県三浦市の浄土宗三樹院(今井正純住職)に「仏足石」を納品した=写真。2024(令和6)年に迎える浄土宗開宗850年を記念して同寺から依頼があった。
仏足石は、釈尊の足裏とされる足型を刻んだ石で、「瑞祥七相」と呼ばれる足裏の模様が特徴。法相宗大本山薬師寺(奈良市)にある8世紀の仏足石が有名で、国宝に指定されている。
長岡氏は、仏足石に関する国内外の資料などを参考に、図案作成から約3カ月をかけて完成させた。愛知県産の花沢石製で、六角型の台座を含めた総高は約50㌢。八重の花弁を持つ蓮華の上に仏足があり、足裏の「卍花文相」「金剛杵相」などの瑞祥七相は浮き彫りで仕上げた。
仏足石の彫刻は今回が3作目という長岡氏は、「瑞祥七相の細かな文様表現に苦心したが、三樹院にお参りする方に仏足石の尊さを伝えられるようにとの一心で彫刻した」という。長岡氏はこれまで同寺に「ポックリ十一面観音立像」「親子地蔵」などの創作石仏のほか、「五劫思惟阿弥陀如来座像」を納めている。