【連載】復帰50年、沖縄仏教はいま〈終〉 戦後の再出発 ― 土地は基地に、複雑な思い
2022年6月24日 13時24分
〈記者後記〉 仏教や寺院を軸に沖縄の「いま」に目を向けた。1400年余の歴史を持つ日本仏教は沖縄で積み上げた約700年の蓄積を戦争で失い、再出発を余儀なくされた。信仰の拠り所となる仏像や伽藍の焼失は、記憶の消失につながった。
戦争を前提とした基地の存在は、仏法の理想と相いれない。沖縄では、ロシアのウクライナ侵攻が緊迫感をもって受け止められている。基地のリアリティーが眼前にあるからだ。沖縄の人々は、戦闘は一時停止しているだけで、戦争はいつでも起こり得ることを知っている。
戦後77年を経て数字上の寺院数は増加した。ようやく仏教復興の端緒にある。無関心を退け、継続的に目を配りたい。(磯部五月)(詳細は2022年6月24日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)