人工妊娠中絶権利を否定 米連邦最高裁 1973年判決を覆す
アメリカの連邦最高裁判所は24日、人工妊娠中絶を選ぶ権利を、合衆国憲法を踏まえプライバシー権として認めた最高裁判決(ロー対ウェイド事件、1973年)を覆す判断を下した。
米国の調査機関ピュー・リサーチセンターのリポート(17日付)によると、共和党は綱領で「胎児は侵害されない生命に対する基本的権利を持っている」とし、民主党は「安全で合法的な中絶」へのアクセスを支援している。しかし、合法的な中絶を支持する共和党員と、それに反対する民主党員もおり、その姿勢の違いを説明するのが「宗教」であるとする。
CJC(時事)は、共和党支持者の中でも特にキリスト教福音派を筆頭とする伝統的な宗教観を持つ層にとって中絶は胎児の命を奪う「殺人行為」であり、最高裁による中絶の権利無効化は長年の悲願だったと解説している。
カトリックのバチカンニュース(24日付)は米国の司教たちが今回の判決を歓迎し神に感謝したと伝えるとともに、中絶は「個人の権利の行使の問題に限定されるのではなく、幅広い社会的重要性の問題である」との教皇庁生命アカデミーのコメントを報じた。(詳細は2022年6月29日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)