【文化財探訪】均整の取れた優美な姿 曹洞宗善福寺・木造阿弥陀如来立像(東京都杉並区)
2024年8月20日 09時22分
曹洞宗善福寺(東京都杉並区)の本尊である木造阿弥陀如来立像は、東京の都市部では珍しい鎌倉時代末期の作で、区の有形文化財に指定されている。流れるような美しい衣文は、鎌倉期を代表する仏師・運慶の作風を祖述するもので、頭部と体躯の均整がよく取れた優美な姿が特徴的だ。
像高は84・8㌢、臂張27・4㌢、檜材の寄せ木造りで、漆箔仕上げ、玉眼嵌入の技法を採用している。鎌倉期に完成された如来形立像形式の伝統を押さえつつも、やや質感が硬く、細い両眼や浅い衣文など、形式的な誇張が見られることから、1989年の調査では室町時代前半の作と推定されたが、後に鎌倉時代末期に改められた。(詳細は2024年8月9日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)