神社に利用された首里城 波乱の歴史に光 神奈川大非文字資料研究センター刊行
2024年9月2日 09時23分
海外神社の研究に取り組む神奈川大の日本常民文化研究所非文字資料研究センターがこのほど『首里城と沖縄神社 資料に見る近代の変遷』を刊行した。首里城正殿と沖縄神社に関する写真や古地図を多数掲載し、首里城正殿が沖縄神社の拝殿として利用された歴史に光を当てた。解説や年表も充実している。
琉球王国時代の政治の中心で、国王が居住した首里城の正確な建立年は不明だという。最後の国王・尚泰が1879(明治12)年に明け渡した後は旧日本軍が管理した。首里区は陸軍省に払い下げを求め、1909(明治42)年に認められたことから尋常高等小、女子工芸学校の校舎に使われた。老朽化と建物保存の財源の乏しさを理由に取り壊される予定だったが、琉球工芸研究家の鎌倉芳太郎と建築家の伊東忠太の訴えで保存へと方針を変えた。(詳細は2024年8月30日号をご覧ください。中外日報購読申し込み)