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いのちの灯

〈コラム〉風鐸2019年4月8日 13時25分更新

東日本大震災から8年の被災地で住民による光を用いた慰霊行事が増えた。宮城県南三陸町では高台の仮設商店街でペットボトルに入れたキャンドルが「3・11」の形に並べられ、多くの職員が犠牲になった旧防災庁舎もライトアップされた◆同県多賀城市では紙コップに入れたLEDライトの「万灯会」。同県東松島市では折り鶴を水とろうそくなどを入れた透明なコップで囲むアート。どこでも子供や若者の姿が多いのが目立った◆夜の帳に浮かぶ灯は、亡き人への鎮魂の象徴のようでもあり、闇の中での“希望”をも思わせる。ほのかな明かりに首を垂れて合掌する人々の頬の涙には、様々な思いがこもっているに違いない◆原発事故で住民が避難を強いられる福島県浪江町と飯舘村では、サーチライト3台で夜空に三角形の慰霊碑の形に青い光線が投じられた。原発が生み出す電力を大量に消費し続けてきた東京都心でも、被災者のメッセージが書かれた和紙の灯籠を並べる集いがあった。二つの土地の人々の心は通じ合っただろうか◆宮城県山元町の住職らが続ける「竹灯籠」では、阪神・淡路大震災で採火された神戸の「希望の灯り」も交えた多くの灯明が人々の祈りの姿を照らした。「亡くなった方々に天から見ていただきたい。盆の迎え火のように習わしにすることで震災を語り継ぎたい」との住職の言葉が宗教者の心を物語る。(北村敏泰)

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