PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第16回涙骨賞〈選考委員選評〉
PR
お知らせ 墨跡つき仏像カレンダー2020

「中枢」と「洗脳」

〈コラム〉風鐸2020年7月28日 14時13分

米映画の典型を見た。社会の中枢を握った邪悪な者が支配のため情報操作などでひそかに市民を“洗脳”する。彼らはあるいは吸血鬼あるいはゾンビに改造され“善良な市民”を害する。「アイ・ロボット」(2004年)ではAIが、「ゼイリブ」(1988年)では異星人が支配者だ◆大多数の人々は陰謀のからくりを知らない。大方の作品では、唯一それに気付いた一匹狼的“ヒーロー”が改造人間を容赦なく殺し、最後に「中枢」に攻め込んで洗脳のための電波を流す設備をドカーンと爆破すると、人々は元に戻り「メデタシメデタシ」という単純な筋だ◆「中枢」が保存されたヒトラーの脳という荒唐無稽な映画もあるが、このパターンは東西冷戦が始まりハリウッドに「赤狩り」が吹き荒れた50年代に端を発する。宇宙人に擬した共産主義者が自らに似せて市民を変えていくという噴飯ものの作品は有名だ◆カルト論議でも問題になるが、理性ある人格に“洗脳”などという発想を持ち出すような貧しい人間観が受けるほど観客は単純なのか。あるいは常に「敵の陰謀」を想定して攻撃しないと安心できない米国の病弊か◆いや、中東で「悪の枢軸」と目した国に軍事侵入し、人種差別批判に開き直る彼の国の現実や、暗い過去の時代を懐かしむような風潮がまん延するどこかの国を見れば、ホラー映画以上の恐ろしさを感じる。(北村敏泰)

マスク禍

8月3日

コロナ禍が長く続き、お寺の法要でもマスク着用が普通になってきた。読経する僧侶も参列する信者も、梅雨で湿度の高い中、互いを思いやって息苦しさを我慢している。町を歩いていても…

虎より怖い政治

7月20日

知人の大学教授の体験談。数年前、中国から日本に帰国する際、北京の空港の出国審査で別室に呼ばれた。公安と思しき係官は旅券を見ながら「あなたはたびたび我が国に来ているが、目的…

呪いは解けるか

7月13日

箱舟の物語で有名なノアには、3人の息子がいた。セム、ヤペテ、ハムという。『旧約聖書』創世記によると、彼らは洪水によって清められた世界で諸民族の祖となる。セムはユダヤ人の、…

どこに希望があるか 核軍事体制とコロナ後の世界

社説7月31日

愛国心の悪用 共生に逆らう動き警戒を

社説7月29日

やまゆり園事件4年 社会に広がる優生思想

社説7月22日
お知らせ
このエントリーをはてなブックマークに追加