PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報宗教文化講座2021
PR
中外日報宗教文化講座2021

瓶水を見る

〈コラム〉風鐸2020年11月16日 14時57分

7世紀、インドの僧侶が朝起きて最初にしたことは瓶水を観察することだった。なぜこのようなことをしたのか。それは最重罪である四波羅夷を犯さないため、不殺生戒を保つためだった◆つまり、水中にいる微細な虫を殺さないためだったという。当時、インドを旅した中国の僧侶・義浄は『南海寄帰内法伝』の中で、殺生は十悪の初めにあり、不殺生は最も守るべき戒で、たとえ渇きから自らが死んだとしても虫のいる水を飲んではいけないとしている◆あらゆる命は輪廻でつながっており、自分と無関係な命はないとインドでは考えたようだ。仏教では古来、命を最も大切なものとし、また大乗仏教もあらゆるもののつながりを縁起として捉え、つながりの中に命の大切さを見いだしてきた◆今、新型コロナウイルスの感染拡大で世界中の人々の命が脅かされ、不安が蔓延している。日本では近年、減少傾向にあった自死者数が、特に若者や女性で急増している。自己責任論の強い日本では社会的弱者が孤立し、しわ寄せがいってしまう◆仏教は自分と無関係な命はないことを教える。それは国連が採択した「誰一人取り残さない」というSDGsの考え方とも合致する。今こそ仏教の真価が問われている。古代インドの僧侶が毎朝、瓶水を確かめたように、命を慈しみ、つながりの大切さを日々、見つめ直す必要があるだろう。(赤坂史人)

重い荷物

4月12日

春の季語でもあるランドセルは、確かに今頃の季節がよく似合う。真新しいランドセルを背負った小学生を目にすると、見ている方も初々しい気持ちになる。想像するところ、ランドセルの…

ラジオと新聞

4月5日

携帯電話の普及に伴い一般世帯での固定電話保有率が減少している。かつて街角に林立していた公衆電話を見掛けることもほとんどない。茶の間で父親が朝刊を広げる風景はすでに過去のも…

紫色の雲

3月30日

日本で最初の往生伝は10世紀後半の『日本往生極楽記』である。著者の慶滋保胤は文人官僚で大内記を務め、出家して寂心と名乗り、内記聖人などと呼ばれた◆同書に倣って『続本朝往生…

寄付の文化 支え合いの心が足りぬ日本

社説4月14日

聖徳太子御聖諱 国際化時代の和を訴える

社説4月9日

釈尊の降誕を寿ぐ 憂いなく安穏であること

社説4月7日
お知らせ
このエントリーをはてなブックマークに追加