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宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報宗教文化講座2021
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紫色の雲

〈コラム〉風鐸2021年3月30日 14時27分

日本で最初の往生伝は10世紀後半の『日本往生極楽記』である。著者の慶滋保胤は文人官僚で大内記を務め、出家して寂心と名乗り、内記聖人などと呼ばれた◆同書に倣って『続本朝往生伝』などが次々と著された。保胤の評伝(『人物叢書 慶滋保胤』)の著者小原仁氏によれば、12世紀の往生伝5書には延べ300人の往生者が取り上げられているという。寂心自身も大江匡房の『続本朝往生伝』に「慶保胤」として取り上げられている。浄土信仰の高まりの中、極楽往生者が輩出した時代だった◆以前インタビューした宗教学者のカール・ベッカー氏は、日本の「死の文化」の豊かさを示す遺産として往生伝を挙げた。その時はなるほどと思った程度だが、年を重ねるにつれ往生伝の世界が退屈なものではなくなってきた◆テレビCMで繰り返し刷り込まれる「小さなお葬式」のメッセージが象徴する何かとは比べものにならない豊かな文化がそこにはあるようだ。もっとも、死の文化の豊かさは現世の貧しさと裏腹ではあるのだろうが◆内記聖人に戻ると、『今昔物語集』には生活のため陰陽師姿で祓いをする法師に泣きながらその非を責める話がある。彼自身が陰陽道の賀茂家出身だけに面白い。紫雲が出現し、香気が立ち込めるのは極楽往生の証し。沙門寂心はそうした末期へ向けてひたすらに進んだ。うらやましい生涯だ。(津村恵史)

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