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縄文パワー

〈コラム〉風鐸2021年9月13日 11時48分

本欄は2011年にスタートし今年で丸10年を迎えた。東北の震災復興の力になればと筆者が初めて書いたテーマは「縄文のパワーで」。その時に取り上げた「北海道・北東北の縄文遺跡群」が7月、世界文化遺産に登録された◆10年前に青森県の担当者が語った登録の目標年度は15年だった。09年の暫定リスト掲載後、ユネスコへの推薦が何度も見送られるなどした末の登録決定に、関係者の喜びもひとしおだろう◆遺跡群は、日本で最大級の縄文集落跡である青森県の三内丸山や秋田県の大湯環状列石など4道県の17遺跡で構成される。大きく6期に分かれる縄文時代(約1万5千~2400年前)の全期間を含む国内最古の世界文化遺産だ◆縄文人は狩猟や採集・漁労で食料を得ながら、1万年以上にわたり定住生活を送っていたという。土偶などの儀礼道具や「ストーンサークル」などの祭祀遺構もよく知られている。登録に当たっては、世界でも珍しい農耕を伴わない定住社会と縄文人の豊かな精神性が高く評価された◆気候変動など環境の変化を乗り越え、自然と共生しながら持続可能な社会を長期間営んできた縄文人の生き方が、いま再評価されている。土器や土偶、漆製品などの工芸品に象徴される造形美への関心も高い。「縄文パワー」はアフター・コロナの在り方を模索する現代人の大きな力になるだろう。(飯川道弘)

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