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2024宗教文化講座

死者の巻物

〈コラム〉風鐸2023年10月4日 14時17分

歴史学者の渡邊昌美氏に「死者の巻物」というエッセーがある(『フランス中世史夜話』)。西洋中世の教会が重要人物の死を告知した回状を指す。通知が回された先で追悼の言葉が記され、用紙がつながれていったため巻物になった◆エッセーで取り上げられた例はスペインとフランス国境辺りの司教。11世紀中葉、教会行政や「神の休戦」の呼び掛けなどの功績で当時有名な人物だったらしく、訃報が届けられた僧院などはかなり広範囲に及び、巻物には全部で93件の弔辞が書き記されていた◆訃報の使者は何人も派遣したのではなく恐らく一人、しかもたいした路銀を用意せず、行く先々で托鉢しつつ歩いたらしい。弔文から足跡をたどると8カ月ほどかかったようだ◆今のように新聞やオンラインで訃報が伝えられるのとは訳が違う。至る所に暴力が溢れ、旅をすること自体が困難な時代。訃報のみならず様々な情報の交換という効果もあったに違いない。「使者の巻物」は当時の死に関わる文化のかなり大掛かりな一こまといえる◆現代は多死社会の到来で、葬儀会社のCMばかりがやたら目立つ。一方で近親者のみの見送りが一般的になり、友人知己が知らないままということも珍しくない。死に伴う習慣、習俗なども簡略化、合理化された。死という大事。そこから派生する文化は残念ながら薄くなった気がする。(津村恵史)

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