PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 墨跡つき仏像カレンダー2025

風吹けば

〈コラム〉風鐸2024年11月20日 13時19分

江戸後期の浮世草子に『世間学者気質』というのがある。作者は無跡散人。「むせきさんじん」と読むのだろうか。物語の中身も含め、詳しいことはよく分からない。決して広く知られているとは言えないこの浮世草子に、ひともうけしようと思案する人の挿話がある◆強い風が吹くと、土埃が舞い失明する人が相次ぐ。そうした人が生計を立てるために琵琶が売れる。琵琶には皮を張らねばならず、多くのネコが捕獲される。ネズミがのさばり、箱という箱をかじって使い物にならなくする。それ故、箱屋をやれば大層もうかるに違いない。思案とも妄想ともつかない皮算用は、風に始まって箱屋に至る◆この小話が、ことわざ「風が吹けば桶屋がもうかる」の由来とされる。何の関わりもないように見える出来事が、幾重にも因果を重ねて思いがけないところに影響を与えるという意味だ◆米国の次期大統領に、トランプ氏が返り咲いた。一国のリーダーを決める選挙がこれほど世界の耳目を集めたのは、米国の影響力が多方面に及ぶからにほかならない。政治経済、外交のみならず、LGBTQや人工妊娠中絶など、多様性や生命倫理に関する国際的な潮流にも少なからず影響を与えるだろう◆米国の風はどこへ向かうのか。微風か、強風か。あるいは暴風か。しばらくは、桶屋ならずとも、米国から吹く風の行方を注視する必要がありそうだ。(三輪万明)

特異点解消

12月4日

世の中は意見の対立、争いが絶え間ない。日常生活ですらそうだが、国家間における戦争や紛争、人間のいる所に様々な衝突が生まれる◆先頃行われた大阪府佛教会佛教徒大会の講演で、数…

「闇バイト」

11月27日

夏以降、首都圏で強盗事件が相次いでいる。手口の似た犯行が少なくとも十数件確認されており、40人以上が逮捕された。実行犯はSNS上に投稿された「短時間で高収入」「簡単な運搬…

部派仏教への視角

11月13日

最近「部派仏教研究の現状と展開」と銘打った全5回の紙面連載を担当した。この分野の新進気鋭の研究者に寄稿を依頼したところ、一般向けにも分かりやすく、その上で最新の研究成果を…

リンカーンとトランプ ネットが誘う危うい選択(12月4日付)

社説12月6日

COP29が示す分断 気候正義の担い手の宗教(11月29日付)

社説12月4日

ガザ停戦決議 問われる米国の姿勢(11月27日付)

社説11月29日
このエントリーをはてなブックマークに追加