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支援の輪広げ復興へ 葉上大阿闍梨の自坊

岡山県倉敷市・天台宗本性院 永宗幸信住職

復興のために仏像の奉納を呼び掛ける永宗住職(三千佛堂で) 復興のために仏像の奉納を呼び掛ける永宗住職(三千佛堂で)

岡山県倉敷市・天台宗本性院の永宗幸信住職(57)は、宗教界に大きな足跡を残した葉上照澄・延暦寺大阿闍梨(1903~89)がかつて住職を務めた岡山市中区・常住寺の復興に取り組む。檀家がおらず安定的な布施収入が見込めないため、近年は実質無住で荒れ果てていたが、2015年10月の岡山教区宗務所長就任と同時に代表役員代務者となり、復興の支援の輪を広げてきた。

同寺の住職を務めた葉上氏は、1953年に比叡山の荒行・千日回峰行を満行した後、世界平和への活動に情熱を傾けるようになり、海外の宗教指導者を訪ねて宗教間対話の必要性を訴えた。その行動が87年の比叡山宗教サミット実現につながった。

永宗住職はこうした葉上氏の功績を知ってもらう場として常住寺を残したいと決意し、境内に顕彰碑を建立した。移築後100年がたつ本堂の修復も必要で、2億円と見込まれる修復費を募るため、総本山延暦寺の根本中堂の修復工事に伴い伐採されたカエデを譲り受けて数珠などを製造、支援者への返礼品とした。

1口2万円の寄付で仏像を奉納できる仕組みも考案。岡山県奈義町の仏師、山田尚公さん(62)と直禾さん(29)の親子が制作した奉納用の叩き彫り仏像3千体を納める三千佛堂も今年3月に完成させた。仏像の足元には寄付者の氏名を記したプレートを設置し、寺が存続する限り支援者の名前も残せるようにした。

尚公さんは昨年5月に制作を始め、8カ月間ほとんど休日返上で仏像を彫り続けた。「ここを訪れた多くの人の様々な思いを受けることで魂の備わった真の仏様へと昇華してほしい」と願う。

護摩を焚く毎月6日には、SNSなどで三千佛堂を知った人が遠くからも訪れる。倉敷市の松原章子さん(42)は「一体一体、形や表情が微妙に異なっていて面白い」と仏像に見入っていた。

これまで寺に奉仕してきた地域の人も日々にぎやかに生まれ変わる様子に喜ぶ。元町内会長の延原達雄さん(84)は「この集落は寺を中心に形成された。だから寺の復興が地域の復興にも貢献するんよ」と力を込める。

「寺を守らんといけんと思う人をどれだけ増やせるかが大事」と永宗住職。ただ、未奉納の仏像が残る三千佛堂の建設費や将来ビジョンを考えると不安に駆られることもある。それでも参拝者の中にある信仰心や葉上氏を慕う心、地域の復興を願う心に触れると身が奮い立つ。

(岩本浩太郎)

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