PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
墨跡つき仏像カレンダー2020
PR
宗教文化講座2020 墨跡つき仏像カレンダー2020

掲示伝道続け40年 お寺と人、響き合う言葉

東京都葛飾区 真宗大谷派宗念寺

毎月張り替えている門前の掲示板。現在は昨年就任した永井住職が文案を用意し、副住職らと相談しながら決めている 毎月張り替えている門前の掲示板。現在は昨年就任した永井住職が文案を用意し、副住職らと相談しながら決めている

寅さんで有名な東京・葛飾柴又から南に約1キロ。静かな住宅街に真宗大谷派宗念寺は立つ。門前の掲示板に筆書きの短文を掲げる活動は40年ほど前から続き、静かに町の人たちに仏の教えを伝えている。

掲示伝道を始めたのは、本堂建て替えの際に掲示板を設置してから。永井弘明・前住職が毎月言葉を選んで、美智子坊守が染筆してきた。現在は昨年就任した永井明輝住職(51)が文案を用意し、有悟副住職らと相談しながら決めており、「却下されることもよくある」と笑う。

数年前に「自分は正しい。争いの根はここにある」と掲げたことがあった。この言葉を気に入った商店主が店に1カ月ほど張ったところ、それを見た人が「自分の会社にも」と申し出て、今も社員食堂に張ってあるという。

門前を通る人が見ることもあれば、近年はインターネット上に投稿された写真で読む人も多い。どれだけの人の目に触れるかは測れないが、永井住職は「掲示を出すのは寺の仕事、そこから先は仏様の仕事」と話す。

仏教伝道協会が主催する「輝け!お寺の掲示板大賞2019」では「愚かな愚かな私です それさえ知らぬ私です」が中外日報賞を受賞した。この言葉は、念仏詩人として知られた木村無相氏の詩の一節で、「自分を言い当てられたように感じた」。以前から知っていた詩だが、宗派発行のカレンダーで見て、改めて考えさせられた。

「愚かな自分を知らされながらも、それを恥ずかしいとも悲しいとも思えない。人間の知恵では人間そのものの愚かさに気付けない。今も人間の愚かさが、自然だけでなく人間自身も破壊している。愚かさに無自覚なまま流転し続けてきたのが人間の歴史ではないか」

掲示板に出す言葉は自分の胸に響いたものにしている。「自分に響き、掲示板を読んだ人にも響いたとき、両者の間に共鳴し合える世界が広がる」からだ。

同寺に掲げられる言葉には、駄じゃれや語呂合わせがほとんどない。「掲示板にはお寺の人間の顔が見える」と話す住職の人柄が表れている。同時に「住職自身がお寺の掲示板でもある。私は“愚かな掲示板”だけど、『お寺さんも凡夫なんだね』と言われて初めて友達になれる」。

門前の掲示板と生身の“掲示板”が、人情の町・葛飾で寺と人をつなげている。

(有吉英治)

現代は葬儀より通夜に参列する人が多く「思い切って通夜の中で葬儀をすることにした」と宮本住職

通夜で葬儀 試み好評 参列者多く荘厳な式典に

4月1日

仕事が休めないなど多忙な現代では、葬儀よりも通夜に参列する人が多い。愛知県田原市の宮本利寛・曹洞宗潮音寺住職(73)は昨年9月から、多くの人が集まる通夜で葬儀を営む試みを…

自らが出したベストアルバムの中で人気の歌「ディスカバージャパン」を口ずさむ山本住職

自由に楽しく音楽説法 次はラテンで阿弥陀経

3月18日

大阪府茨木市の浄土真宗本願寺派稱名寺の山本隆俊住職(72)は、僧侶、元茨木市議会議員(1997年から5期20年)、ミュージシャンと多面的に活躍。地域の人々が音楽や芸術、芸…

本堂に設置されたビンテージのミキサーを操作する篠原住職

方便としての「音楽寺」 人とつながり救い生む

3月4日

岡山の「音楽寺」として知られる臨済宗妙心寺派蔭凉寺。国内外からトップアーティストが来寺し、ジャンルを超えたコンサートが開かれている。自ら音響エンジニアを務める篠原真祐住職…

修行の「厳しさ」 現代社会における価値

社説4月1日

地下鉄サリン事件25年 語り継ぐべきものの選択

社説3月27日

“復興五輪”の下で 原発事故への怒りやまず

社説3月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加