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中外日報宗教文化講座2021
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寺に親しみ敷居低く 一般参加の企画 宗派超え

東京都台東区・浄土宗長壽院 北川琢也副住職

イベントの最後に法話する北川副住職 イベントの最後に法話する北川副住職

東京都台東区・浅草周辺の浄土宗若手僧侶らは月に1度、一般参加型のイベント「茶坊えにし」を開いている。内容は雅楽演奏会やヨガ、香木を楽しむ会など様々で、開催場所も寺に限らない。一般の人に向けて寺院や僧侶に対する敷居を低くし、仏教に慣れ親しんでもらうことが目的だ。

発起人で長壽院(同区)副住職の北川琢也氏(45)は「茶坊えにしを始めるきっかけとなったのは東日本大震災被災地での経験だ」と話す。北川副住職は復興支援のために現地入りし、がれきの撤去作業などを行った。次第に活動範囲は仮設住宅地へと広がり、被災者と関わるようになった。

「被災した人たちは、自分のことを僧侶だと知ると心を開き、ささいな質問をしてくれた」という。そこで「もしかすると東京でも同じように、僧侶と話をしたいという人がいるのでは」と考えた。

都内で檀信徒以外と関わるにはまず「場所」を設ける必要があった。しかし寺院では一般の人が気軽に入りづらいのではとも思われた。近隣の若手僧侶らに声を掛け、「イベントに来てくれた人と会話をしながら悩みや疑問を聞いては」などと相談しつつ、取り組みをスタートさせた。

イベントはワークショップ形式のものやフィールドワーク、勉強会など広範囲だが、いずれも最終的には仏教につながるような内容だ。企画運営する僧侶らが参加者に「教える」のではなく、一緒に体験し学ぶことで話しやすい環境をつくっている。

これまでには縁のある臨済宗や曹洞宗の僧侶を招き坐禅体験をしたこともある。浄土宗という枠組みを超えて今後も積極的に他宗派とタッグを組んでいきたいという。そこには「仮に浄土宗だけが活発になったとしても、社会からの仏教や僧侶に対する印象は変わらない」との思いがある。現在、禅宗と浄土宗の違いを解説する講義イベントを企画中だ。

「地域社会と寺院の関わり方は地域によって異なる。地方では行事や祭りなどに檀信徒や地域住民が集まりやすい。一方、都市部では寺の周辺に檀信徒が少ない場合がある。檀家以外の人々と関わりを持つのも一つのやり方。この活動が直接檀信徒獲得につながるわけではないが、同様の取り組みが増えていくことで仏教界全体が活発になり、結果として門葉の活性化につながるのではないか」

(奥岡沙英子)

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