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来るもの拒まぬ坐禅会 外国人・心に病ある人も

神奈川県横須賀市 臨済宗建長寺派独園寺 藤尾聡允住職

藤尾住職(左端)が開く坐禅会には地元の人に交じって外国人も参加 藤尾住職(左端)が開く坐禅会には地元の人に交じって外国人も参加

神奈川県横須賀市の臨済宗建長寺派独園寺で開かれる坐禅会には檀家や地域住民だけでなく、外国人や精神的な病を抱えた人など、年齢も国籍も宗教もそれぞれの事情も異なる人たちが集まる。藤尾聡允住職(62)は広く門戸を開き、一人一人と向き合い禅の教えを伝えている。

毎月第1土曜日の夕方、地元の人たちに交じり、日本に駐在している企業や米軍の関係者、留学生ら外国人が同寺の坐禅会に参加する。藤尾住職が日本語と英語で説明。坐禅会後には言葉の壁を越えて参加者同士が交流を楽しむ。お互いの家に遊びに行くようになったり、一緒に野球観戦をしたりして親交の輪が広がっている。

藤尾住職は大学卒業後、金融会社に就職。10年以上にわたる海外勤務を経て退職。僧堂で修行して独園寺に帰ってきた。

その経験を買われ、大本山建長寺での英語による坐禅会の指導を任されるようになった。口コミで独園寺でも外国人の参加者が増えた。

同寺に来るのは「泊まり込んで坐禅に打ち込みたい」「心を立て直したい」という、ストイックに坐禅を求める人たちだ。そうした人々に藤尾住職は、一人一人の事情に配慮しながら坐禅の意義などを説く。

定例の坐禅会に加えて団体主催、あるいはプライベートでの坐禅指導も引き受けている。自死遺族への支援をしている藤尾住職の元には、精神的な病がある人や自死遺族ら様々な人が訪れる。希死念慮者からも連絡がある。そんなときは何時でも電話を取り、いつでも会う。「来るものは拒まない」。その姿勢の背景にあるのは建長寺開山・大覚禅師の言葉「福山はまったく松関を閉じず、無限の清風来りて未だ止まず」だ。

コロナ禍で坐禅会を中止したが「何とかやってほしい」との要望が数多く寄せられ、4月からはウェブ会議システム「ズーム」での坐禅会を始めた。これまで縁のあった海外の人はもちろん、緩和ケアを受けている入院患者がネットを通じて参加するなど、インターネットならではの新しい縁も生まれた。

「坐禅会は私自身の修行。悩んでいる人に何を伝えたらいいのか、どうやって坐禅を教えたらいいのか、それは私が習いに行きたいくらいです。それを、坐禅会を通じて勉強させてもらっている。いろいろな気付きがあって自分自身が成長できる場」と考えている。

(甲田貴之)

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