PR
購読試読
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第16回涙骨賞〈選考委員選評〉
PR
第17回「涙骨賞」を募集

高齢者が安心して参加 お寺で無料終活カフェ

東京都墨田区・浄土宗龍興院 大島慎也副住職

歯科医師と僧侶という二足のわらじで活動する大島副住職 歯科医師と僧侶という二足のわらじで活動する大島副住職

東京都墨田区の浄土宗龍興院は昨年から、2~3カ月に1度「おてら終活カフェ」を開いてきた。コロナ禍のため今年はまだ開催できていないが、大島慎也副住職(39)は「地域の医療・介護関係者とも連携しながら、高齢者のためのコミュニティーの場を広げていきたい」と展望を語る。

大島副住職は現役の歯科医師でもある。足腰が悪かったり、病気のために直接歯科医院に行けなかったりする人を対象とした訪問歯科診療が中心で、ポータブルの診療器具を携えて赴く患者のほとんどが高齢者だという。入れ歯を調整している最中など、患者が手持ち無沙汰な時間には世間話にも付き合う。

その中でよく話題となるのは、自らの葬儀や墓のこと、相続の問題、死後のペットの心配など終活に関わることだった。またそういった悩みは身近な人にはなかなか相談できずに抱え込んでいる人が多いことも分かった。

「終活に関するセミナーなどは様々な業種や分野で行われているが、どうしてもビジネスが先行しがち。お寺ならば中立の立場であり、安心して参加してもらえるはず。また、仏様が見守る神聖な空間であるお寺を会場とすることは、自分の生と死、死生観を学びながら考えていく場所としてふさわしいのではないか」と終活カフェの開催を決めた。

同院の終活カフェは参加無料で、行政書士や葬儀関係者、介護関係者ら終活に関わる様々な専門家を講師として招いて本堂で行うセミナー形式と、書院に場所を移して茶を飲みながら講師や大島副住職に気軽に終活の悩みを相談することができるカフェ形式の二部構成となっている。

歯科医師と僧侶という二足のわらじに共通するのは「高齢者のため」という目的意識だ。ゆくゆくは寺を、地域の高齢者を守るための拠点にしていきたいとの思いもある。「地域に『開かれたお寺』を目指して企画しているが、やはりただお寺に来てもらうのはハードルが高い。お茶を飲みにという理由でも気軽にお寺に来てもらうきっかけになる」と話す。これまで同院とは縁のなかった地域の人々もカフェに参加しており、リピーターも多いという。

カフェは新型コロナウイルスの影響で4、7月の開催は中止に。再開の要望も多いが、高齢の参加者が多いため慎重に開催時期を検討し、十分な感染拡大防止対策を取った上で再開したい考えだ。

(佐藤慎太郎)

高さ5.5メートルのぴらみ堂と1.5メートルのペット納骨堂の前に立つ菊池重忠住職

仏道修行へ市民に開く 永代供養ピラミッド型に

9月16日

古都・鎌倉から北西に約15キロ。交通量の多い県道45号を通っていると、道沿いに突如ピラミッドが現れる。2019年7月に落慶した、日蓮宗大法寺(神奈川県綾瀬市)の永代供養墓…

2017年の九州北部豪雨災害でボランティアに入った井藤住職(福岡県朝倉市)

防災士を宗内で育成 意識向上へ「備災」訴え

9月2日

天台宗高家寺(兵庫県明石市)の井藤圭順住職(49)は、被災地支援や防災で積極的な役割が期待される防災士として、東日本大震災が起きた2011年から地道な活動に取り組んでいる…

「『うぶやの里』として産育文化を発信し、命の大切さを学んでほしい」と話す林宮司

産屋通じ命の尊さ訴え 町おこしにも一役

7月1日

京都府福知山市・大原神社の林秀俊宮司(64)は、神社が管理・所有する村落の産屋(府有形民俗文化財)にちなんで「産育文化」の発信に取り組み、命の大切さや親子の絆の再認識を訴…

オンラインの発信 宗教文化リテラシーの重要性

社説9月25日

「9月ジャーナリズム」 深く歴史から学ぶこと

社説9月18日

修行の聖域 伝統的形態を護るためには

社説9月16日
お知らせ
このエントリーをはてなブックマークに追加