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廃寺跡の活用に尽力 歴史発掘、観光資源に

神奈川県伊勢原市 臨済宗建長寺派能満寺 松本隆行住職

浄業寺跡の墓石の前で法要を営んだ保存活用委員会の僧侶ら 浄業寺跡の墓石の前で法要を営んだ保存活用委員会の僧侶ら

松本隆行・臨済宗建長寺派能満寺(神奈川県伊勢原市)住職(48)は、日本三百名山の一つ、大山(同県)の麓・三ノ宮地区にある地元の人々から忘れ去られた寺院の復興を通じて地域活性化に努めている。

県道611号大山板戸線で整備が進められているバイパスの道路沿い、うっそうと生い茂る竹やぶの中に浄業寺跡はある。史跡として市の文化財に指定され、教育委員会による案内看板が立っているが、歴代住職や檀信徒らの墓は長年にわたって放置され、地元の人にも知られていないのが現状だ。

浄業寺は1201(建仁元)年、北条政子の創建と伝わる。1683(天和3)年、黄檗宗の隠元禅師の法を嗣いだ独本性源禅師によって再興された。しかし明治時代に裏山の崩落で本堂が損壊し、その後廃寺となった。同寺の本尊・釈迦如来像は黄檗宗紹太寺(同県小田原市)の本尊として祀られている。

浄業寺と能満寺は1㌔程度の距離にあり、同じく近隣にあった能満寺の末寺・高岳院の本尊・聖観世音菩薩像がもともと浄業寺の観音堂に祀られていたとの記録があるなど互いに関係し合っていたとみられる。

高岳院は北条氏康の家臣だった布施弾正が開基となり再興した寺院で、境内地約170坪、田畑・山林などの寺領約6700坪を誇った。松本住職は1959年の合併で廃寺となった高岳院の再建にも力を入れ、能満寺、高岳院、浄業寺を通じて地元の歴史を掘り起こそうと考えている。大山へと向かう観光客を誘致し、史跡として参拝できる環境づくり、休憩場所の提供を目指す。

昨年には浄業寺史跡保存活用委員会を立ち上げた。黄檗宗の近藤博道管長が顧問、伊勢原市議会の長嶋一樹議員が委員長を務め、委員に武内徳昭・紹太寺住職をはじめ黄檗宗、臨済宗の僧侶、地元の関係者が名前を連ねる。昨年11月には2日間に分けて、竹の伐採を行った。

武内住職は「今後は現地で法要を営みたい。最終的にはお堂を建てられれば。黄檗宗寺院が増えればとてもありがたい」と浄業寺跡の活用に期待を示す。

松本住職は「歴史を調べてみると、重要な場所であることが分かってくる。そうした地域の魅力を伝えていきたい。浄業寺を中心に神奈川県における臨済宗と黄檗宗の興隆の場になれば」と語っている。

(甲田貴之)

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