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震災仮設慰問2万軒 助け合う心、深める機縁

岩手県奥州市 真言宗智山派興性寺 司東和光住職

仮設住宅を慰問する司東住職(中央) 仮設住宅を慰問する司東住職(中央)

岩手県奥州市にある真言宗智山派興性寺の司東和光住職(72)は、東日本大震災の仮設住宅慰問活動を中心とした支援活動を続けている。訪問した世帯数は2万2590軒に上り、「『助け合う心』が忘れられずに深まる機縁になるように、活動を続けたい」と語る。

司東住職は震災から約1週間後に被災地へ入り、寺院や公共施設へ支援物資を届けるお見舞いを行っていた。震災から数カ月が経過し、被災者らが仮設住宅へ入居して一安心と思っていたところ、生活に難儀していることを聞き慰問活動を始めたという。

岩手県沿岸部の陸前高田市や大船渡市、大槌町などの仮設住宅を1軒ずつ訪ね、見舞いの品を渡して話を聴いて回った。活動を知った人々からも来てほしいと声を掛けられるようになり、ピーク時には約1450軒を訪問することもあった。

活動の根底にあるのは「助け合う心」だ。司東住職は「日本には困ったときはお互いさまという精神風土がある。人は支え合って生きていて、何かできることがあれば援助するのは当たり前のことです」と話す。

その思いに賛同した檀家や地域の人々、大本山高尾山薬王院(東京都八王子市)や智山派青年会、全国の支援者らによって活動は支えられ、寄せられた義援金は総額約2463万円、これまでに2万2590世帯を慰問した。

被災地支援での僧侶の役割について、「拝んだり法話をしたりすることはもちろん大切なことですが、それだけが役割ではない。その人にとって何が大事かを考えて手助けをしたり寄り添ったりすること、特に話に耳を傾けることの大切さを実感しました」と語る。

震災から10年が経過し、2020年度で多くの仮設住宅が閉鎖された。「住む所といった生活の場を求めるのに10年かかった。今後はどう生活を成り立たせるかを考えなくてはならない。大切な人との突然の別れの悲しみも10年で癒えるものではない」

これまでの活動を「私自身も人として僧侶として多くのことを学ばせてもらった」と振り返り、「仮設住宅で生まれた被災者同士の心のつながりや絆を絶やさないように、これからも被災地を訪れながら人々が集まれるきっかけづくりをしていきたい」と活動の継続を誓った。

(原田梨里)

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