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仏様と一緒の感覚共有 本堂自由に開放日設定

大阪府吹田市 浄土真宗本願寺派千里寺

「がらん伽藍の日」の本堂は文字通りがらんとしている(奥で読書しているのは武田副住職) 「がらん伽藍の日」の本堂は文字通りがらんとしている(奥で読書しているのは武田副住職)

大阪府吹田市の浄土真宗本願寺派千里寺(武田達城住職)では毎月1、2回、誰でも本堂で自由に過ごせる「がらん伽藍の日」を設けている。「一人でも多くの人と、仏様と一緒にいさせていただく感覚を共有したい」という武田大信副住職(33)の発案で、2018年頃に始めた。

同寺は阪急千里線千里山駅から徒歩2分の地にある。がらん伽藍の日は特に催しがあるわけではないので、文字通り本堂はがらんとしている。訪問者は名前や住所を問われることはなく、僧侶による読経や法話もない。

大信副住職は本堂の隅で静かに読書をして過ごす。寺を安全に管理するため本堂にいるが、訪問者が気兼ねなく過ごせるよう極力存在感を消すよう努めている。「求められなければ、こちらから話し掛けることはしません。沈黙に耐えるということに一番苦労します」

きっかけは門徒から「子どもの家に仏壇がない」「そもそも家に仏間がない」という話を聞いて、それなら「本堂を皆さんの仏間に」と思い立ったこと。家庭の仏間なのだから、過ごし方も各人の自由というわけだ。

掲示板などで取り組みを知った人がふらりと訪れる。毎回多くても1、2人。通常の行事では多くの人がいて話しづらくても、がらん伽藍の日なら気兼ねなく話してもらえるから、それくらいの人数がちょうどよいという。

過ごし方は十人十色。本尊阿弥陀如来の前でじっと座っている人もいれば、仏教や仏事のことなどを大信副住職に尋ねる人もいる。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い一斉休校となった際には子どもたちが訪れ、アニメソングに合わせて踊りを披露してくれた。

遺影を持ったまま、しばらく本尊を見上げてたたずんでいる人もいた。縁者の葬儀後のことが気掛かりで訪ねたのだという。この出会いを契機にその人は度々同寺の法座などにも参加し、熱心に聴聞するようになった。

「何年かに一人でも、そういう方と出会ってお寺とのお付き合いが始まるのならうれしい。たとえ一度限りの訪問であったとしても、それをきっかけに仏縁が広がればとの期待もあります」

誰も来ない日もあるが大信副住職は読書に専念できるから特に落胆はしない。この気楽さが長く続けていけるコツだ。

「しんどくなったときに、いつでも行ける学校の保健室のような場所が用意されているのはとても大事。お寺も地域の中でそんな場所になればと思っています」

(岩本浩太郎)

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