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古民家で地域活性化 活動で出会う人は財産

岐阜県笠松町 真宗大谷派福證寺 岩越智俊住職

10月10日の御遠忌で和田邸の前を歩く稚児行列と岩越住職。コロナ禍の中で、粘り強く話し合い理解を得て実現した 10月10日の御遠忌で和田邸の前を歩く稚児行列と岩越住職。コロナ禍の中で、粘り強く話し合い理解を得て実現した

岐阜県笠松町の真宗大谷派福證寺の岩越智俊住職は、国登録有形文化財「和田邸」の活用を通じて地域の活性化を志す。関係者の思惑の食い違いに遭遇しながらも「声を上げる人ほど相手の懐に入れば協力的」「新しい人脈は寺のメリット」という確信のもと「手間だけならいくらでも掛ける」と腹をくくる。

和田家は絹織物で成功した商家。真宗の信仰あつく同寺再建や本山護持に貢献した。和田邸が昭和初期の和風建築として2017年に文化財となったのを機に当主の理解を得て活用を考える会を始め、親鸞聖人750回・聖徳太子1400回御遠忌で10日、和田邸から稚児行列を行った。

コミュニティースペースとしての活用の具体化、事業者貸し出しによる維持費用捻出を目指し見学会や提案会を開く。同様の事例で直面するのがボランティアと事業者の意識の差だが「話せば分かる」と前向きだ。

人と人との調整は阪神・淡路大震災の復興事業の壮絶な体験で耐性がついた。名古屋大法学部を卒業して住宅・都市整備公団に入り、神戸の寮で被災した。復興事業に志望し配属されたのが駅前再開発の用地買収の過酷な現場だった。前任者は逃げ出し、引き継ぎもないまま、入社3年目にして150人の地権者と交渉することになった。様々な利害関係者から毎日のように怒られ、要望やクレームを突き付けられたが、若さで突っ張り信頼を得ていった。その中で「誰しもより良い方向になるよう願っていると分かった」と語る。

この経験は08年の住職就任後も役立ち、今回の稚児行列の計画でも近隣寺院から「コロナのクラスターが発生したら、ほかの寺に迷惑が掛かる」との意見が出たが、理解を得られるように言葉を重ねた。直前まで判断を保留し、感染者数の減少を受け実施。「意見された方も御遠忌を心配されて言われたことで、自坊でも立派な御遠忌をせねばという決意を得て帰っていかれた」という。

現在は11月の「SDGs和田邸マーケット&ビューイング」に向け奔走中で、活動で出会った人々がかけがえのない財産だ。「ベビーカステラのキッチンカーを営む男性に生活費を賄えるのか聞くと、本職は介護という。そんな人もいるのかと驚いた。従来の寺院活動ではまず出会えなかった方々が多く、教わることばかりで手放したくない。お寺にも協力してもらえる関係性を築きつつある」と語った。

(武田智彦)

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