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傾聴通じ自死向き合う 「H1」優勝が自信に

大阪府寝屋川市 融通念仏宗大念寺 関本和弘副住職

「遺族に寄り添えるのが僧侶」と話す関本副住職 「遺族に寄り添えるのが僧侶」と話す関本副住職

奈良市内で10月30日に開かれた「H1法話グランプリ2021」で、融通念仏宗大念寺(大阪府寝屋川市)の関本和弘副住職(45)がグランプリに輝いた。参加資格が45歳以下のため「最初で最後の挑戦」。大会では先祖供養の大切さをしんみりと語った。関本副住職は「エンタメ性を入れて話した方がいいのかどうか考えたこともあったが、今のやり方でいいと再確認できた」とし、グランプリ受賞が自信につながったと強調する。

H1で披露した法話は「切り花には根がない。枯れたら終わり」と感じた体験から「父母を縁として3代前なら8人、10代前なら千人。たった一人いないだけでも私はここにいない」と指摘し、「見えない支えのお力がある」と先祖供養の大切さを訴える内容だった。

この法話は、本尊の掛け軸を持って各檀家を回りながら先祖回向などをする「御回在」の時、手伝ってくれた檀家の人たちを集めて最後にする話だといい、「宗派の人だけでなくもっと多くの人に伝えたいと思い、H1に参加した」と明かす。

近畿大農学部水産学科を卒業後に進んだ北陸先端科学技術大学院大の修士課程では、人間と機械との間を直感的にやりとりする「ヒューマンインターフェース」について研究した。大手電機メーカーへの就職も決まっていたが、住職だった祖父が脳梗塞となり、寺に戻ることを決めた。

大学院時代、同級生の自死を止められなかった経験も進路に影響を与えたという。仏教の教えを説きながら「『こう考えなあかんねん』と上から物を言ってしまったが、彼女には何も伝わっていなかった」と自戒を込めて振り返る。

2009~19年に大阪自殺防止センター(大阪市中央区)の電話相談員を務め「話を聞くことの大切さを徹底的に教え込まれた」という。10年には「自死に向きあう関西僧侶の会」を立ち上げ、初代代表になった。

同会では隔月で子どもや伴侶を亡くした自死遺族同士が話をする。「遺族は周りには『突然死した』としか言えず、自責の念に駆られる人がいる。そういう方が泣くことのできる場所をつくりたかった」と語る。

自坊でも、思い悩む人の相談を受け付けている。関本副住職は「『大事な人が亡くなって悲しい』と話す遺族に『つらいね』と寄り添えるのが僧侶」といい、今後も法話と傾聴の両輪を軸に活動を続ける。

(須藤久貴)

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