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翠雲堂

「口から入る仏教」伝道 稲作を通じ社会に貢献

長野県高山村 浄土真宗本願寺派光西寺 真出智真住職

共に田植えをした親子連れと記念撮影に興じる真出住職(左端) 共に田植えをした親子連れと記念撮影に興じる真出住職(左端)

涼しい風が木々を揺らす長野県高山村の初夏の水田で、浄土真宗本願寺派の僧侶やボランティアたちが熱心に稲を植えていた。

食べる人の自立を願い「一本立ち」と名付けられた米は、地元の社会福祉協議会や本願寺派が運営する福祉施設などに寄付され、困窮者やハンディキャップのある人々に届けられる。田植えを主導する真出智真・光西寺住職(60)は「食べて心を満たすことを通して『口から入る仏教』を広めたい」と語る。

田植えには普段農作業をすることのない僧侶らも参加。田んぼの心地よいぬかるみを楽しみながら、1本ずつ手分けした苗を丁寧に植えていた。

近年、長野県内では米農家を中心に廃業する農家が増えている。高山村でも借り手がつかず、耕作放棄地となる水田が後を絶たない。真出住職はこうした荒れ地を引き受け、重機を駆使しながら自らの手で開墾をしてきた。

開いた農地は、全国の人々との交流の拠点でもある。6月には首都圏に住む家族連れを招き、共に田植えを行った。過去には障がい者を招待して村内でリンゴ狩り体験を実施したことも。「社会貢献の場づくりが寺の使命だと思っている。農業を通じて社会貢献し、寺を知ってもらいたい」と言う。

光西寺には門徒がほとんどおらず、葬儀や法要による収入はごくわずか。農業や交流事業に必要な資金は住職自らがアルバイトで稼いだ給料で賄っており、60歳を迎えた今でもスキーのインストラクターや塗装業の仕事を続けている。

元々、規模の小さい寺を継ぐ気はなかった。住職だった祖父の「光西寺は何にもないなあ」という言葉が忘れられなかった。祖父は本願寺の職員を務めた後、光西寺の養子となり熱心に寺を守ってきたが、資源の少ない寺を振り返り思わず漏らしたという。

地元を離れ東洋大の夜間部に進学し、卒業後は百貨店や建設会社で働いた。しかし先代住職の父が亡くなり、急きょ住職を継ぐことに。門徒も減って廃寺もちらつく中、豊かな自然を生かし、農作業で人々と交流する寺院づくりを始めた。

「『衣食足りて礼節を知る』という言葉があるが、仏教を知るためにもまずはおなかをしっかり満たすことが大事。そのために汗を流し、困っている人の心とおなかを満たしたい」と話した。

(石邊次郎)

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