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宗教文化講座 翠雲堂

在留ベトナム人を支援 学友の過労死機に出家

神戸市長田区 ベトナム仏教寺院和楽寺 ティック・ドゥック・チ住職

帰国を待つ20歳のベトナム人の遺骨が安置された阿弥陀仏像の前に立つチ住職 帰国を待つ20歳のベトナム人の遺骨が安置された阿弥陀仏像の前に立つチ住職

近年急増する在留ベトナム人。法務省出入国在留管理庁によると、2020年末時点の在留ベトナム人は約44万人で、10年前の10倍以上の規模。今や日本在留の外国人では中国人に次ぐ多さだ。

そんな急増する在留ベトナム人の心の拠り所となっているのが神戸市長田区のベトナム仏教寺院・和楽寺だ。神戸の繁華街・三宮から市営地下鉄海岸線で約10分の苅藻駅から徒歩1分。町工場と民家が混在する風景の一角にある。

朱地の中華風ちょうちんがつり下がった異国情緒あふれる門に張り付くようにして立つ本堂は、防音用の鉄扉が付いている。読経の声などが外に漏れないよう近隣住民に配慮した措置のようだ。

扉を開けて出迎えてくれたのは来日7年目のティック・ドゥック・チ住職(31)。12年に同寺を創建したティック・ニュアン・フォー氏の下で16年に出家した。フォー氏は現在ベトナムに帰国中で、チ住職が同寺の管理を任されている。正月には近畿を中心に全国から2千人近くも集まる。「仏教を伝えるのが一番の使命ですが、急増するベトナムからの留学生や技能実習生は差別やいじめなど様々なストレスに直面することが多い。彼ら彼女らを守る使命もあります」

チ住職の元には在留ベトナム人からの相談が絶えない。失業してしまった人には失業保険の申請や職探しなどの手助けをする。相談者の多くは日本語がうまく話せず、ハローワークの仕組みもよく理解しているわけではないので、時にはチ住職が彼らに付き添って通訳の役目も果たす。

コロナ禍は留学生の多くがアルバイトとして働く宿泊業や飲食業を直撃した。母国もコロナのダメージを受けているため、親類からの仕送りも期待できず、多くのベトナム人が困窮した。

そんな時、寺に寄せられた食料や日用品を困窮者に分け合ってしのいだ。行き場のなくなった人の受け入れ先にもなり、この2年間で約50人が寺で生活した。

チ住職も日本での生活を夢見て、15年に留学生として来日した一人。しかし、同じく来日した高校時代の同級生が過労死するというつらい現実に遭遇。同級生の葬式を挙げ、遺骨を母国の親元に送り届けたのがフォー氏だった。この経験が仏道を志すきっかけになったというチ住職も、この2年間で40人近くものベトナム人の葬儀を日本で執り行った。「今は皆さん大変だから頑張るしかない」

(岩本浩太郎)

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