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宗教文化講座 翠雲堂

利他の実践 自らの使命 挑戦続け活動の幅広く

大阪府大東市 真言宗御室派祐照寺 古川真照住職

本堂で手を合わせる古川住職。在家出身で一念発起、マンションの一室から寺院をスタートさせた 本堂で手を合わせる古川住職。在家出身で一念発起、マンションの一室から寺院をスタートさせた

真言宗御室派祐照寺(大阪府大東市)の古川真照住職(60)は、1997年に一念発起してマンションの一室から寺院をスタートさせた。

在家出身で呉服屋の営業マンとして活躍した。不動産など他業界からも営業職でヘッドハンティングされ、給与待遇も良かったが、バブルが崩壊した。自身は生計を立て直せたが、知り合いには自死する人もいた。その状況下で「お金と名誉を追い掛けても自己満足だけで、幸せにはなれない」と気付き、友人の勧めで高野山を参拝し弘法大師や師僧と出会ったことをきっかけに僧侶を志した。

まず身近な人々から救いたいと思い、24時間態勢で人生相談などを受け付けた。「お寺に助けを求める人は多くいるが、『20カ寺のお寺に相談の電話をかけても聞いてもらえなかった』と訴える人もいた」という。老人会で説法するなど、活動の幅を広げた。

師僧の密教院(福岡市西区)前住職・故小倉秀仁氏から「偉いだけの坊主になるな。素晴らしい坊さんであれ」と言葉をもらい、分院の許可も受けた。マンションのポストに「九州福岡 密教院大阪別院」と小さな看板を掲げたのが現在の祐照寺につながる。

子どもたちにできることはないかと考え、地元の商工会議所の協力を得て、一般の塾の半額の費用で学べる環境を整備した。高校受験をする中学生が多く在籍する大東志塾で理事と特別講師を務めている。年に2回「心の授業」を開き、宗教観ではなく人生の目的や周囲への感謝など、普段の生活で忘れがちな大切な事柄を考えるきっかけづくりを行っている。

仏教の始まりであるインドに恩返しをするため「カースト制度で差別される人たちの悪循環を断ち切りたい」と思い、インドへ向かった。

世界仏教徒大会で300人を前に講演し「未来ある子どもたちに平等心を教え、20~30年後には社会を正しい方向へと変える存在を育てていく」と熱弁した。8校の日曜学校を設立し、道徳の教科書も作成した。「インドに行くたびに、日本で生まれたことは宝くじに当たったぐらい幸運だと感じる」と話す。

健康を保つ秘訣として毎朝5時から1時間の散歩とトレーニングを続けているという。「心と体はつながっているから、体を動かすことで心も軽くなる」。古川住職は「自分ができることは何でも挑戦し、利他の実践をしていくことが自分の使命だと思っている」と語り、今も全力で走り続けている。

(日野早紀子)

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