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笑いは日常への活力 落語会50年以上続ける

京都市東山区・安井金比羅宮 鳥居肇宮司

「桂米朝落語研究会」20年記念の奉納額を紹介する鳥居宮司 「桂米朝落語研究会」20年記念の奉納額を紹介する鳥居宮司

京都市東山区の安井金比羅宮で、桂米朝一門による落語会が50年以上にわたり開かれている。鳥居肇宮司は「笑いは日常への活力。昔から神社仏閣は最先端の芸術・芸能に庶民が触れられる場であり、宗教活動とは別に大事な役割だ」と語る。

「桂米朝落語研究会」は崇敬者の縁で、京都で落語会を開く場を探していた桂米朝氏(1925~2015)が1966年10月に始めた。隔月開催で今月331回目を迎えた。桂ざこば氏や桂南光氏もここで初舞台を踏んだ。

父の博愛・先代宮司はアイデアマンで、芸能・芸術が好きだった。「月3回は新聞に載らないとあかん」とよく言い、今や京都の代表的な観光地の一つとなった縁切り石のほか、絵馬館や「ガラスの部屋」も設置した。

鳥居宮司は「先代が自分の立場だったら全て変えてしまったかもしれないが、私は残されたものを生かしていくスタンス。絵馬館やガラスの部屋もリニューアル中で神社のために活用した」と話した。しかし、ただ引き継いだだけではない。一昨年の年末から落語家が描いた大絵馬の掲示を始め、古参の神職から驚かれた。落語との縁こそ安井金比羅宮らしさだと考え、米朝一門の事務所に相談すると、多芸で知られる桂米團治氏が油彩画で描いてくれた。

神社で落語会を続ける意味について「神話で天の岩屋の前で天鈿女命が踊り神々を笑わせて以来、神道では神楽が大切にされ、歌舞伎や能・狂言など様々な芸能が生まれ、落語もその流れにある」と位置付けた上で、笑いは神事の儀礼構造に重なると考察する。

「そもそも笑いとは日常・平穏がひっくり返ることで起こる。厳粛な神事の後ににぎやかな神賑行事で楽しむというハレとケの対比に重なる。みんなで笑うことが日常生活への活力となる。悩んでいたけど落語を聞いてひらめきや気付きを得る人も多い」と語る。

鳥居宮司の一番好みの演目は「らくだ」だ。らくだというあだ名の荒くれ者が死に、その友人の熊五郎が周囲に無理難題を吹っ掛けながら香典やお供えを集めて葬式をするというあらすじ。

「悲喜劇のドラマの中に人の優しさ、怖さ、弱さが表れ、人間の本質が見える。はなし家の腕が試される演目で、どこが見どころになるかの違いが面白い。私は米朝師匠の熊五郎に魅力を感じる」という。

(武田智彦)

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