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2024宗教文化講座

「不便さ」売りの町おこし 寺はダルマの発信地

千葉県市原市・曹洞宗宝林寺 千葉公慈住職

寺院を町おこしの中心に据えた地域振興活動を展開する宝林寺の千葉住職 寺院を町おこしの中心に据えた地域振興活動を展開する宝林寺の千葉住職

千葉県内を走るローカル線・小湊鐵道線の養老渓谷駅近くに曹洞宗宝林寺(同県市原市)はある。小湊鐵道の社外取締役を務める千葉公慈住職(58)は「鉄道を中心とした町おこし」をテーマに地域振興活動に取り組んでいる。「合言葉は『お寺おこしは町おこし、町おこしはお寺おこし』。歴史的に見ても、町の中心には宗教的な祈りの場がある。伝統や文化の担い手であるお寺が中心となって、人々が人間本来の生き方を取り戻すことで幸福を感じられるような町おこしをしていきたい」と語る。

千葉住職はある時、親交のある小湊鐵道の石川晋平社長から相談を受けた。石川社長は祖父から「お前のやっていることは開発ではなく破壊だ」と言われたことがあるという。それを聞いた千葉住職は「禅では開発はカイホツと読み、自分の外に求めるものではなく、内に秘めている仏性に目覚めることだ」と話した。それを契機に小湊鐵道は創業当時の街並みを再現し、人と自然が共存できる社会を目指す「逆開発」に着手した。

億単位の費用をかけてコンクリートを剥がし、樹木の専門家に協力を仰ぎ、かつてその場所に生えていた木を植えた。現在、養老渓谷駅の前には森が広がっており、地元の野菜などを販売する自由市が開かれている。

「逆開発」に賛同する地元の勝手連が次々に団体を立ち上げた。千葉住職が代表を務める「いっぺあde渓谷」もその一つだ。地元名産のイノシシ料理を知ってもらうためのイベントを催すなど精力的に活動している。「養老渓谷は不便さが売り。列車は1時間に1本しか来ないので、待ち時間に宝林寺で坐禅をする人もいる。少し不便でも、世の中の成り立ちが『見える』開発をし、個々人が人間性を追求できるような取り組みをしたい」と今後の展望を話した。

檀信徒の減少や墓じまいなど「お寺離れ」が深刻な問題となっているが、千葉住職は、むしろ社会における寺院の役割は大きくなっていると語る。「グローバル化が急速に進行し、キャッシュレスなど経済の価値観も変化している。そのような中で世界共通の言語である『仏教のダルマ』を発信する寺院の果たすべき役割は大きい。どんな小さなお寺でも、それぞれの物語があり、ダルマを世界に循環させる力を秘めている」と述べた。

(奥西極)

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