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宗教団体のボランティア 普段から共に生きる歩みを

大阪大教授 稲場圭信氏

時事評論2020年3月13日 11時33分

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、様々な活動が中止・延期となっている。各方面での影響は甚大である。宗教団体の諸活動も例外ではない。一方で、感染鎮静化の祈願が執り行われている。宗教は苦難にある人に寄り添ってきた。今この時も、古からも、そして大災害時にもそうだ。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、安倍晋三首相は2月26日に大規模イベントの中止・延期を、27日には全国小中高校の一斉休校を要請、政府は3月6日の閣議で3月11日に予定していた政府主催の東日本大震災追悼式を中止すると決定した。

あの日から9年、社会はどのように変わったのか。宗教者と社会の連携はどうなっているのか。平常時と非常時の接続、宗教者と行政及び社会福祉協議会(以下、社協)の連携の重要性が指摘されている。

地域福祉の推進を図ることを目的とする社協が、災害時には災害ボランティアセンターを設置して対応するが、宗教者はそこにどのように関わっているのか。大阪大大学院人間科学研究科は、科学研究費「宗教施設と行政と市民の連携による減災・見守り」(代表:稲場圭信、分担者:川端亮)により、社協と宗教団体との災害時連携に関して初めての全国調査を2020年1、2月に実施した(全国の社協1826を対象、回答794、回答率43・5%)。詳細は後日、報告書や論文にまとめるが重要な点だけ紹介する。

回答があった社協のうち、これまでに災害が発生し、災害ボランティアセンターを開設したり、災害対応をしたことがあるのは321社協で全体の約4割を占めている。その321社協のうち、災害ボランティアセンターや災害対応で、宗教団体のボランティアや支援を受け入れたのは134社協、4割もある。

一方で、受け入れなかった社協は、その理由として「宗教団体から申し出がなかった」が8割、政教分離の考えからは1・9%と少ない。

社協が受け入れた宗教団体の上位をあげると、天理教76社協、真如苑44社協、曹洞宗27社協、末日聖徒イエス・キリスト教会17社協、浄土真宗8社協、創価学会7社協、立正佼成会7社協、カトリック7社協となっている。8割の宗教団体のボランティアや支援を「満足」と社協は評価している。

東日本大震災でも社協と宗教者の連携はあったが、2016年の熊本地震で、この連携が新たなフェーズに入った。宗教団体が、社会福祉協議会に支援金を提供したりといったことに加えて、災害ボランティアセンターの運営をサポートしたり、また、宗教施設の駐車場に災害ボランティアセンターのサテライトが設置されるといった事例がある。さらに、仮設住宅で宗教者が行う炊き出しやカフェに、社協職員が一緒になって取り組む事例も西日本豪雨から頻繁にある。

宗教者が多宗教間連携して、パブリックセクターと協働し、災害ボランティア活動をすることは社会的要請でもある。そのためには地域社会において平常時から共に生きる歩みが必要だ。世のため人のため、さらなる取り組みが宗教界に期待されている。

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