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試行錯誤のコロナ対策 過ちはためらわず改めよう

北海道大教授 櫻井義秀氏

時事評論2020年11月27日 11時03分

GoToキャンペーンのことである。このコラムが出るまでに中止されることを期待して書いている。

北海道は新型コロナウイルス感染の第3波にある。GoToトラベルに10月から東京都が加わって観光客の移動が活発化し、GoToイートや地域共通クーポンで飲食店利用が盛んになってわずか1カ月。北海道は11月初旬から、3月に知事が緊急事態宣言を発出した時の10倍を超す感染者数を出し、全国に拡大が広がっている。

北海道医師会は医療崩壊を招くとして、GoToトラベルから北海道を除外するよう提言し、国の感染症対策分科会会長もGoToの影響を否定できないとしている。しかしながら、11月7日時点で鈴木知事も菅首相もGoToとの関連はないとして、感染症予防と景気回復を両輪で進める考えを崩していない。

GoToが根本的に間違っているわけではない。コロナ禍で落ち込んだ観光業や飲食業に対する支援策は他の国でも行われている。しかし日本では機能しないし、時期も悪かった。

東アジアの中で日本だけが欧米並みに感染症の波に襲われている。中国は強力な都市封鎖を行い、台湾は1月から入国管理を徹底し、韓国はSARS(重症急性呼吸器症候群)の経験から防疫体制構築に取り組んできた。日本はクラスター対策と自粛要請だけで第1波を乗り切ったように見えたが新型コロナウイルスの蔓延を招いたのである。

日本は感染のPCR検査を罹患者と濃厚接触者に絞り、一般市民には実施していない。したがって、無症状感染者や罹患しても軽症で回復した人たちは、自己隔離をすることもなく自由に移動し、飲食店にも出入りする。GoToトラベルとGoToイートが観光地と都市でどういう帰結を招いたかは火を見るよりも明らかではないか。

私は2月3月の既視感にとらわれている。中国の武漢で1月23日に都市封鎖されたことが報じられたにもかかわらず、北海道は2月の雪まつり観光を優先して第1波を招いた。政府は習近平国家主席の来日(3月5日延期決定)とオリンピックの開催(3月30日に延期決定)のスケジュールから入国管理の厳格化を遅らせた。これが北海道では第2波、本州では最初の感染拡大である。その後の緊急事態宣言と学校の休校、テレワークの拡大、自粛要請の強化である程度まで感染を抑えてきた。

ところが、GoToのインセンティブは、安く旅行できる、安く飲食できるということで「利用しなければ損」という発想をもたらした。自制してほとんど使わない人には、他人が遊び飲み食いした費用をなぜ等しく税金で負担しなければいけないのかという違和感が残る。感染爆発で観光地は医療逼迫し、観光客も消える。

納税者として異見をだそう。GoToキャンペーンを直ちに中止して、その予算をまず医療従事者の待遇改善と自宅隔離を余儀なくされている軽症者収容のホテル確保にあて、コロナ禍で失業し、日々の生活費にも事欠くシングルマザーや高齢労働者に給付金を支給すべきである。

コロナ対応は試行錯誤である。間違いもある。だから改める必要がある。

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