PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
2024宗教文化講座

近代教育学と浄土真宗 人間・教育・宗教の根本問題を問う浄土真宗的教育人間学…川村覚昭著

2024年5月1日 10時01分
近代教育学と浄土真宗 人間・教育・宗教の根本問題を問う浄土真宗的教育人間学

人間の本性を「善」と考えてきた西洋近代の個人主義に立脚する教育観に対し、人間を「煩悩具足」と捉えた親鸞の人間観に基づく「浄土真宗的教育人間学」の構築を提起する。個人主義的な人間観に依拠し、そこから自由意識の拡大を戦後一貫して追求してきた教育には「隠れた根本問題がある」との認識が根底にある。

近代教育学の論理構成を批判的に考察し、それを浄土真宗の視点から「現代における教育人間学」として脱構築する。「人間学」を前面に打ち出すのは、教育とは「人間らしい人間」を形成する人間的な行為であり、教育を論じるためには、基本的に人間理解を前提にしなければならないからである。

教育は、人として生きることについて考え「生きる力」を実現するために何をなすべきかを考えることにほかならない。ところが教育政策では、青少年の関わる重大事犯を背景に道徳教育の教科化が進められた。「人間らしい人間」の根本を問うことなく、近代的思惟を思考原理とする教育方針が推し進められたことには危うさがある。

著者は、仏法の授受に見られる「師資相承」に教育人間学の原則を見いだし、現代教育の喫緊の課題は、戦後の教育が無視してきた仏教的な精神面の回復だと論じている。

定価7700円、法藏館(電話075・343・5656)刊。

仏教儀礼の音曲とことば 中世の〈声〉を聴く

仏教儀礼の音曲とことば 中世の〈声〉を聴く…柴佳世乃著

5月17日

古くから仏教儀礼の根幹をなす声の重要性には絶えず注意が払われてきた。中世に至ると、様々な芸能が口伝と師資相承を伴って芸道として立ち現れた。とりわけ法華経の読誦は、正確な字…

浄土の歩き方 行きたいと思ったときに来てくれるのが阿弥陀の国!

浄土の歩き方 行きたいと思ったときに来てくれるのが阿弥陀の国!…英月著

5月16日

浄土宗や浄土真宗の根本経典として広く親しまれている、浄土三部経の一つの『阿弥陀経』。本書では、そこに説かれる極楽浄土のありさまを学ぶ「阿弥陀経ツアー」が開かれ、著者がツア…

老作家僧のチェンマイ托鉢百景 2023雨安居全日録

老作家僧のチェンマイ托鉢百景 2023雨安居全日録…笹倉明著

5月15日

「異国へ落ち延びた落人作家」と自らを称する著者が、タイの僧院での暮らしや歩きながら考えたことをつづる。仏教徒たちとの交流からは南国のおおらかさが感じられ、肉食で僧侶に肥満…

平和を力強く訴える 問われる宗教者の役割(5月15日付)

社説5月17日

消えゆく他者への共感 その先に見える世界は?(5月10日付)

社説5月15日

大きな変動の背景 国外の宗教問題への関心を(5月8日付)

社説5月10日
このエントリーをはてなブックマークに追加