PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 墨跡つき仏像カレンダー2025

親鸞 『歎異抄』を手がかりとして…伊藤益著

2024年6月14日 13時31分
親鸞 『歎異抄』を手がかりとして

悪人正機説を唱えた親鸞だが『教行信証』などその著作で直接には記されていない。日本倫理思想が専門で長年親鸞研究に取り組んできた著者は、悪人正機の「悪」とは何かに正面から向き合い『歎異抄』などを頼りに人間存在の根源にある悪に迫っていく。

悪人正機説は師の法然、対立する立場の貞慶にも見られ、著者によれば「平安末から鎌倉時代にかけての共時代的な一思潮」だった。その中で親鸞の説が独創的だったのは「阿弥陀仏によって救われるのは悪人だけであって、善人は救済の埒外にある、と断言した」点にあるという。

さらに著者は救われる悪人がいかなる存在かについても突き詰めていく。日本の如来蔵思想に基づけばあらゆる存在に仏性が宿っており、仏性を犠牲にしなければ食事をとることはできない。社会の中で生きていれば、入学試験や昇進競争はもちろん、あらゆる場面で他者を排除することが避けられない。親鸞の説く悪とは道徳や倫理的な意味ではなく「『いまここ』に生きて在るという事実をみきわめ、それを『悪』と名指した」「身にまとわざるをえない悪に対して自覚的に在るからこそわれらは救われる」と論じる。慈悲、宿業、浄土など親鸞を考える上で避けられない項目についても検討する。

定価3960円、春秋社(電話03・3255・9611)刊。

住職はシングルファザー

住職はシングルファザー…池口龍法著

10月15日

明治以降、日本仏教の現実は大きく変わった。宗教法人としての法的位置付けや教団としての組織の在り方、個々の寺院の生活スタイル、檀家や地域社会との関わり方など、あらゆる面で多…

〈ゴータマ〉の大予言 みんなが「わたしの人生」を生きるために

〈ゴータマ〉の大予言 みんなが「わたしの人生」を生きるために…ひろさちや著

10月11日

本書は、2022年に死去したひろさちや氏の仕事場から見つかった未発表原稿(09~10年にかけて執筆か)を刊行したもので、日本の行く末や人間の生き方についての根本的な問いを…

『教行信証』からひもとく浄土真宗の教え

『教行信証』からひもとく浄土真宗の教え…藤澤信照著

10月10日

浄土真宗本願寺派勧学の梯實圓氏が1981年に行った講義を記録した講義録「真宗要論」をもとに、行信教校の講師を務める著者が月刊『大乗』で、2021年4月から23年3月まで連…

平和賞受賞の意義 核使用の「タブー」を護る(10月16日付)

社説10月18日

“かかりつけ葬儀社” 人生のステージに支え(10月11日付)

社説10月16日

宗教の価値見直し 地域社会での役割問う(10月9日付)

社説10月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加