PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 墨跡つき仏像カレンダー2025

満洲国の双廟 ラストエンペラー溥儀と日本…嵯峨井建著

2024年6月27日 17時19分
満洲国の双廟 ラストエンペラー溥儀と日本

海外神社研究をライフワークとしてきた著者の渾身の一冊。「満洲国」に建てられた天照大神を祀る建国神廟と、戦没者を祀る建国忠霊廟の実態に、貴重資料や現地調査、関係者の証言、当時の中外日報をもとに迫る。

祭神の決定には紆余曲折があった。元々は戦没者だけを祀る構想だったが、清の皇帝や漢民族の神々の案も出た。天照大神は多数意見ではなかったが、溥儀側近の吉岡安直は一貫して天照大神を主張。吉岡は、独自の神道思想を説いた筧克彦の信奉者だったという。

ただ最終的な判断は、皇帝自身によると分析。「日本天皇陛下と精神一体」「日本人で満洲国に仇なす者は日本の天皇陛下に不忠」と述べ、関東軍から主導権を奪うためにも天皇の権威を利用しようとしていた溥儀は、天照大神の祭祀は有効だと考えたのだろう。

一方、日本の皇室は消極的だった。建設の決裁を求められた昭和天皇は、いつもと異なり執務の手を止めて説明を求めたという侍従の証言を聞き取っている。「中国の皇帝は由来天を祀るのが通常」と発言したともいう。

神社界との論争、神社局の関与、壮麗な廟建築、独自の祭祀・祭式・装束の制定、日満2カ国語の祭詞、奉祀官の組織も検証し、そして廃絶後の御神体の行方についてもかなり具体的に核心に迫っている。

定価4290円、芙蓉書房出版(電話03・3813・4466)刊。

住職はシングルファザー

住職はシングルファザー…池口龍法著

10月15日

明治以降、日本仏教の現実は大きく変わった。宗教法人としての法的位置付けや教団としての組織の在り方、個々の寺院の生活スタイル、檀家や地域社会との関わり方など、あらゆる面で多…

〈ゴータマ〉の大予言 みんなが「わたしの人生」を生きるために

〈ゴータマ〉の大予言 みんなが「わたしの人生」を生きるために…ひろさちや著

10月11日

本書は、2022年に死去したひろさちや氏の仕事場から見つかった未発表原稿(09~10年にかけて執筆か)を刊行したもので、日本の行く末や人間の生き方についての根本的な問いを…

『教行信証』からひもとく浄土真宗の教え

『教行信証』からひもとく浄土真宗の教え…藤澤信照著

10月10日

浄土真宗本願寺派勧学の梯實圓氏が1981年に行った講義を記録した講義録「真宗要論」をもとに、行信教校の講師を務める著者が月刊『大乗』で、2021年4月から23年3月まで連…

平和賞受賞の意義 核使用の「タブー」を護る(10月16日付)

社説10月18日

“かかりつけ葬儀社” 人生のステージに支え(10月11日付)

社説10月16日

宗教の価値見直し 地域社会での役割問う(10月9日付)

社説10月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加