幡谷明 講話集1 浄土文類聚鈔講義…幡谷明著
幡谷明(1928~2021)は、島根県浜田市生まれ、顕正寺前住職。真宗学を究め、大谷大教授や董理院董理を歴任した。40年に及ぶ膨大な講義録の中から、講議を厳選してまとめた。
同講話集は、2025年4月までに全7巻を刊行する予定だ。第1巻は、教行信証と文類聚鈔の成立前後に関する先行研究を検討した。約550㌻に及ぶが、話し言葉で記されているため、「聞く」ように読むことができる。
この講話集は、山口県周南市の篤信者、故山本秀晃氏の自宅で毎月1回開かれた通称「幡谷法座」を門徒と山本氏がまとめ、幡谷氏が加筆修正した。
幡谷氏は21年11月に還浄、山本氏も同年2月に死去したが作業は弟子たちに相続され、刊行に至った。巻末奥付には、満面の笑みをたたえた著者の写真が付された。謦咳に接した弟子や門徒たちから慕われた姿が偲ばれる。
第2巻「文類偈講義」、第3巻「唯信鈔文意講義」、第4巻「浄土三経往生文類講義」、第5巻「浄土論註講義上」、第6巻「浄土論註講義下」、第7巻「講話集 帰るべき世界」と続く。11月末までセット割り引きも受け付けている。
定価4400円、法藏館(電話075・343・5656)刊。