PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 2024宗教文化講座

キルケゴールのキリスト論 同時代のヘーゲル主義者との関係で…鹿住輝之著

2024年4月24日 09時39分
キルケゴールのキリスト論 同時代のヘーゲル主義者との関係で

デンマークの哲学者・キルケゴールの思想や体系批判は長年、ヘーゲルと結び付けられて解釈されてきた。しかし近年の研究で、キルケゴールの批判がJ・L・ハイベアやH・L・マーテンセンといった同時代のデンマークのヘーゲル主義者らに向けたものだったこと、同時にキルケゴールが彼らと同じ問題意識を共有していたことが明らかになった。

当時デンマーク社会は敬虔主義や啓蒙主義の台頭、自由主義憲法を求める動きなどによって宗教改革以来の国家教会制度が大きく揺らぎ、国民に信教の自由が認められる危機的変化を迎えた。ハイベアとマーテンセン、キルケゴールは既存の絶対王政を攻撃する自由主義者らに保守派の立場から応答する著作を残したが、前者2人が社会の危機に対する解決策としてヘーゲル哲学やその影響を受けた神学を用いたのに対し、キルケゴールはその解決策がさらなる混乱を招くと考えた。

著者はその相違の核心を探るべく、三者が展開したキリスト論を解き明かす。伝統に再度価値を与え復興しようとするハイベアらに対し、キルケゴールはキリストを社会集団の規範と異なる領域に置く。本書はキリスト教的価値観の崩壊に対する三つの異なる考えを示し、キルケゴールのキリスト論と彼の問題意識を深く、明瞭に理解しようと試みる。

定価4950円、新教出版社(電話03・3260・6148)刊。

改訂新版 鐵舟居士乃真面目

改訂新版 鐵舟居士乃真面目…圓山牧田・平井正修編

9月6日

臨済宗国泰寺派全生庵(東京都台東区)は山岡鉄舟(1836~88)が幕末から明治維新にかけて国事に殉じた人々の菩提を弔うために創建を発願し、1883年に完成した。鉄舟没後、…

はじまりの神道神学、希望への道標

はじまりの神道神学、希望への道標…小堀邦夫著

9月5日

昨年9月に帰幽した元神宮禰宜・元靖国神社宮司の遺著。青年時代の原初体験になった故郷和歌山での公害問題を踏まえ、文明社会での神道的な生き方の手掛かりを探求する。 前半は上代…

平安京の生と死 祓い、告げ、祭り

平安京の生と死 祓い、告げ、祭り…五島邦治著

9月4日

平安京における貴族や庶民の独特な「死生観」についてまとめた一冊。現在放映中のNHK大河ドラマ「光る君へ」の題材にもなっている紫式部の著した『源氏物語』を中心に『栄花物語』…

殺生に寛容?な民主主義 問われる欧米の二重基準(9月4日付)

社説9月6日

臨機応変の被災地支援 宗教者の経験生かすとき(8月30日付)

社説9月4日

言葉の重さと役割 状況を見て法を説く意義(8月28日付)

社説8月30日
このエントリーをはてなブックマークに追加