浄土の歩き方 行きたいと思ったときに来てくれるのが阿弥陀の国!…英月著
浄土宗や浄土真宗の根本経典として広く親しまれている、浄土三部経の一つの『阿弥陀経』。本書では、そこに説かれる極楽浄土のありさまを学ぶ「阿弥陀経ツアー」が開かれ、著者がツアーガイドとなり、ユーモアあふれる語り口で「参加者」らに阿弥陀の国を案内する。
ツアーでは釈尊が『阿弥陀経』を説いた舎衛国の衹樹給孤独園を訪れ、16人の弟子を含む1250人の大比丘らと共に釈尊の説法に耳を傾ける。説法を聞いた参加者の疑問に著者が答えるという形式で、様々な価値観に縛られ周囲と比べて生きる人々に、釈尊の説く「量ることがない世界」の存在と、その釈尊の説法をいつでも聞くことができるのが極楽浄土であることを伝える。
量ることがない世界に出遇った人々は自分の人生を振り返り、ありとあらゆることを「量っていた」ことに気が付くが、その一方で量らない難しさにも直面する。
すでに、今、これから願いを発する人々を救うという釈尊の「已発願、今発願、当発願」の言葉を紹介して、今願いを発することができない人々も救われることを伝え、タイトルにあるように「念じればいつでも阿弥陀の国に出遇うことができるのだ」と示している。
定価2420円、春秋社(電話03・3255・9611)刊。