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インド仏跡ツアーを手掛ける旅行会社社長 マルカスさん(68)

ほっとインタビュー2023年6月26日 10時10分
インド仏跡ツアーを手掛ける旅行会社社長 マルカスさん マルカスさん=1954年、インド・デリー生まれ。旅行会社勤務を経て、92年にアサヒトラベルサービスを開業。インド旅行の企画・運営を手掛けるほか、講演活動を通してインドの魅力を発信する。落語家・立川談志の弟子「立川談デリー」としても活動する。

旅行会社社長として長年にわたってインド仏跡ツアーの企画・運営を手掛ける。松本清張氏、瀬戸内寂聴氏らのインド訪問時に通訳と案内を担当した。旅行先ではジョークを交えた解説が人気。日印友好をテーマに全国各地で講演するなど両国の文化交流に大きく貢献している。

奥西極

インド仏跡観光の魅力は?

マルカス 仏教徒がインドの仏跡に行くと、そこが何という名前で、どういう場所なのか一目で分かります。祇園精舎に霊鷲山、経典に描かれている世界がそのまま目の前に広がっているからです。お釈迦様が実際に存在した人で、そこで説法したことが経典になっていると確信を持つことができます。インドの仏跡の多くは、古代から手付かずになっている。だからインド仏跡を巡る旅はタイムトラベルでもあります。

これまで300回以上、インドの仏跡を案内してきました。その中で多くの出会いがありました。中村元先生(東京大名誉教授)からは多くのことを学びました。穏やかで立派な方でした。瀬戸内寂聴先生は優しくておしゃべり好きな方でした。私のマルカスという名前に漢字を当てて「丸佳寿」という名前を頂きました。今でも大切にしています。

1998年には立川談志師匠のインド旅行の手配と案内を担当しました。コルカタの町で初めて談志師匠とお話をした時に意気投合しました。その日のうちに弟子にならないかと誘っていただき、その場で「立川談デリー」という名前を下さいました。帰国後、すぐに漫才の練習を始めて、2週間後には一緒にステージに立っていました。談志師匠とは20回ほど一緒に漫才させていただきました。素晴らしい経験です。

日本とインドの違いは?

マルカス 日本は豊かな国です。何でもそろっています。一方、インドはまだ発展していない地域も多い。彼らは確かに貧しい。でもいつもニコニコしていて、目が輝いている。日本には「貧困」という言葉がありますが、私は、インドには「貧」はあるけど「困」はないと思います。彼らはみんな「私は幸せです」と言う。これは幸せとは何かという問題に行き当たります。「もっと努力したら、もっと幸せになれる」と思って苦労している人とどちらが幸福だろう、どちらが人間らしいだろうと考えさせられます。

インド人は今の人生は前世の行いの結果だと考えている。だからほかの人のことは気にしない。資産家も自分が頑張ったからお金持ちになったのだとは思わないし、…

つづきは2023年6月14日号をご覧ください

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