PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
新規購読紹介キャンペーン
PR
第21回涙骨賞募集 2024宗教文化講座

世界各地の難民や子どもを支援する俳優 サヘル・ローズさん(38)

ほっとインタビュー2024年5月21日 09時36分
世界各地の難民や子どもを支援する俳優 サヘル・ローズさん サヘル・ローズさん=1985年、イラン生まれ。高校時代から芸能活動を始め、主演映画『冷たい床』ではイタリア・ミラノ国際映画祭など様々な映画祭で主演女優賞を受賞。芸能活動の傍ら個人で国内外を問わず続けている支援活動が評価され、2020年に米国で人権活動家賞を受賞した。

イラン・イラク戦争のさなか孤児となり、7歳まで孤児院で過ごした。養母に引き取られ8歳で来日。路上生活やいじめなど過酷な日々を過ごしたが、支えてくれる人々とも出会い、芸能活動を始めた。俳優・タレントとして活躍する一方で「自分と同じ境遇の人々を助けたい」と、世界各地で難民や子どもの支援活動を続けている。

渡部梨里

支援活動を始めた理由は。

サヘル テレビの仕事を通して世界には貧困や戦争で苦しむ多くの子どもがいることを知りました。私も養母と出会う前はその子たちと同じ境遇にいて、原点を忘れてはいけない、彼らのために何ができるだろうと考えるようになりました。10年以上前から個人的に活動を始め、孤児院に物資を送ったり、子どもたちが教育を受けられるような支援をしたり、各地の難民キャンプを訪れてその現状を伝える活動をしたり、特定の家族を支援したりしてきました。

今の世界の現状を変えるためには「人権と教育」が何より大切だと思います。いくらSDGsを推進しても、世界中で戦争が起こっていたら意味がなくなってしまう。戦争によって最初に失われるのは人権と教育です。先進国が途上国に教育を行き届かせることができれば、人々の生活が変わり、途上国ではなくなると思う。世界中に一定のレベルの教育の土台が整えられた先に、気候変動などの様々な問題解決の糸口が見えてくると考えています。

最近も難民キャンプに行かれていたとか。

サヘル 世界ではロシア・ウクライナの戦争やイスラエル・パレスチナの戦争が注目されていますが、ミャンマーのロヒンギャ迫害やシリア、南スーダンの内戦など、報道されなくなっただけで世界各地で今も多くの戦争が続いています。最近は2月にウガンダの難民キャンプ、3月にバングラデシュのロヒンギャの難民キャンプを訪れました。

ウガンダの難民キャンプで子どもたちが私の腕を触りにきました。白い肌の人に触れれば自分たちも白くなれる、そうすれば今の生活が変わると思ったみたいです。

社会は肌の色や人種、宗教など、様々なことでレッテルを貼り、排除して分断を起こします。過去には、優しく迎えてくれたシリアから逃れた人々に、私が日本人ではなくイラン人だと伝えた時、悲しいほど目つきが変わり、殺意のようなものすら感じました。イランがアサド政権を支援していることが原因で、国家の罪を背負うのは国民だと感じた瞬間でした。一方で、…

つづきは2024年5月8日号をご覧ください

「沖縄戦の図」展示のため美術館を開館した 佐喜眞道夫さん

「沖縄戦の図」展示のため美術館を開館した 佐喜眞道夫さん

8月27日

画家の丸木位里・俊夫妻が描いた「沖縄戦の図」(縦4㍍、横8・5㍍)を展示するため、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地内にあった先祖の墓と土地を返還させ、1994年に美術館を開…

特攻兵士の語り部 岡出とよ子さん

特攻兵士の語り部 岡出とよ子さん

7月25日

太平洋戦争中、飛行機もろとも敵艦に体当たり攻撃をした特攻兵士が出撃前に寝泊まりした民間寮「攻空寮」で育った。戦後、寮に残された特攻兵士の辞世の句に突き動かされるようにして…

国内外で感染症対策を指揮した医学者 尾身茂さん

国内外で感染症対策を指揮した医学者 尾身茂さん

6月24日

世界保健機関(WHO)をはじめ、国内外で感染症対策を指揮した。2020~23年には新型コロナウイルス感染症対策分科会の会長として100以上の提言をした。「全ての人が普遍の…

殺生に寛容?な民主主義 問われる欧米の二重基準(9月4日付)

社説9月6日

臨機応変の被災地支援 宗教者の経験生かすとき(8月30日付)

社説9月4日

言葉の重さと役割 状況を見て法を説く意義(8月28日付)

社説8月30日
このエントリーをはてなブックマークに追加