心の光を見つける12の物語 ――親子で心を育てる3つのステップ…高橋佳子著

激動する現代社会を生きる子どもたちにとって本当に必要な「心の栄養」「生き抜く力」とは――。12の自然の姿をモチーフにした絵本で、子どもの心の奥底に秘められた「光」を見つけ、心の羅針盤を育てていく。
迷ったとき、くじけそうなとき、誰かに優しくできなかったとき、そっと背中を押してくれる大事な「心の力」が、月・火・風・大地などを通して紡がれる。「空の心」では「さえぎるもののない『空』とひとつになれば、気もちがかわるよ。すっきりしてじゆうになるよ。いやな気もちも気にならなくなるよ。くぎりのかべもこえてゆくよ」と優しく語られる。12の物語が織りなすのは、感謝、勇気、思いやり、希望といった人生を支える「心の根っこ」。独立した物語でありながら、読み進めるごとに自己肯定感や他者への共感が育まれる。
「情報過多で競争が激しい現代、困難に立ち向かう力を育むことが何より重要。自身の内なる声に耳を傾け、無限の可能性に気づいてほしい」という切なる願いが著者にはある。3部構成で、第1部で絵を通して自然に学び、第2部の物語で理解を深める。読み聞かせを推奨しており、第3部に12の心を親子で体験する実践ガイドがある。QRコードから12の物語のカラフルな動画も体験できる。
定価2200円、三宝出版(電話03・5828・0600)刊。