千玄室氏(裏千家今日庵第15代家元、臨済宗妙心寺派虚心庵先住職)
千玄室氏(裏千家今日庵第15代家元、臨済宗妙心寺派虚心庵先住職) 14日死去、102歳。通夜、葬儀は京都市上京区の裏千家今日庵で内々に執り行った。後日改めて「お別れの会」を予定している。9月26日まで(土曜日曜、祝日を除く)、今日庵で弔問記帳を受け付ける。
1923年、裏千家14代家元・淡々斎宗室の長男として生まれる。同志社大在学中に学徒出陣した。戦後、49年に後藤瑞巌・臨済宗大徳寺派管長のもとで得度し「鵬雲斎」の斎号を授けられた。64年に裏千家15代家元を襲名。73年に梶浦逸外・妙心寺派管長から「虚心」の法名を授かり、虚心庵(上京区)住職に就任した。
千利休が示した「和敬清寂」の茶の精神を「一盌からピースフルネスを」との言葉に込め、世界各地で平和祈念の献茶式や茶会、講演会を開き、世界平和の実現に向けた活動を展開。国内外の数々の勲章を授与され、97年には茶道界で初めて文化勲章を受章した。98年にはフランス政府からレジオン・ドヌール勲章オフィシエを受けた。
87年、岐阜県美濃加茂市の正眼寺境内に梶浦老師が創立した正眼短期大の第3代理事長に就任し、2012年まで務めた。1998年からは真言宗御室派総本山仁和寺(京都市右京区)の伽藍・文化財を護持する「仁和会」の会長を務めていた。