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「天武忌」周知へ奮励 皆が参加できる法要に

三重県名張市・真言律宗福典寺 坂東瑞祐住職

東塔基壇の石を手にした坂東住職(最後列中央)と参列者ら 東塔基壇の石を手にした坂東住職(最後列中央)と参列者ら

天武天皇を追善する今年の「天武忌」を見据えて、2023年から準備と周知を進めてきた。

三重県名張市内にある昌福寺(国史跡・夏見廃寺)は、『薬師寺縁起』に天武天皇の皇女で伊勢神宮初代斎王の大来皇女が725(神亀2)年に天武天皇の追福を祈るために建立した寺とあり、今年が創建1300年。10世紀に焼失するまで約300年間存在した。坂東住職が護持する福典寺(同市)は、和銅年間に昌福寺と同じ男山に創建された東照院という名の塔頭だったと伝わる。

法要は10月26日に福典寺で営まれた。総本山西大寺の僧侶が出仕、天武天皇ゆかりの法相宗大本山薬師寺、律宗総本山唐招提寺の関係者が参集した。新たに天武天皇の位牌を造立し、檀家からの寄進で本堂の欄間部分に昌福寺から出土した塼仏と同型の塼仏を復元して開眼した。薬師寺の大谷徹奘副住職が薬師寺東塔基壇の発掘調査で出土した埋納石を坂東住職に親授する一場面があり、このサプライズは感激ひとしおだったという。

法要は天武天皇の追善供養と事績を顕彰する目的が第一義だが「一般の人でも法要に参加できて、見て楽しいものにできないかを模索した」と話す。法要中に大来皇女役が昌福寺建立の願文を奉読する場を設けた。

天武天皇は672(天武元)年、壬申の乱で大友皇子を制し、翌年に飛鳥浄御原宮で即位した。律令制を導入し、国史の編纂を命じた。即位以前は大海人皇子と称した。名張は天武天皇にとって壬申の乱の際の出陣と凱旋の地とされる。

坂東住職は約25年前に福典寺に入寺した。現在は法務に邁進しつつ銀行に勤務している。転勤で大阪や京都、神戸、埼玉などを回った経験から「社会生活こそ修行だ」と感じたこともある。

来年以降も2024年と同規模で営み、皆が参加できる法要を継続する。当日は天平装束の着付けとメークの専門スタッフにより準備を整えた参列者らが境内を進んだ。昨年の天武忌がインターネットのニュースでも報じられたことから「天平衣装を着てみたい」との問い合わせを受け、今年は東京や千葉、大阪など遠方からの参加もあった。

「天武天皇は律令制を整え、国家の礎を築かれた。天皇を供養するための寺院は多くない。名張はゆかりの地であると、地元の人にこそ歴史を知ってほしい」と話す。

(磯部五月)

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