PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
第22回「涙骨賞」を募集
PR
第22回「涙骨賞」を募集

熊出没注意

〈コラム〉風鐸2025年11月12日 10時30分

「熊。おれはてまえを憎くて殺したのでねえんだぞ。おれも商売ならてめえも射たなけぁならねえ」。童話「なめとこ山の熊」で宮沢賢治は、熊撃ち名人と熊との生と死をめぐる因果を描き出した◆東北の山間の故郷では通学の途中や山遊びの行き帰りなどに「熊出没注意」の警告板をよく見かけた。とはいえ実際に目撃したことはなく、祖母が秘蔵していた「熊の胆」のあまりの苦さに閉口した思い出や、観光案内所に置かれた歯をむき出しにした剝製のイメージが強い◆何年かに1度、近所の畑が荒らされたらしいなどと伝え聞くものの、日常生活では交わらないどこか遠い存在だった。しかしふと調べてみるとほんの数日前、実家から数百㍍の場所で自動車と熊とが接触事故を起こしていた◆今年は各地で熊の目撃や被害が相次いでいる。とりわけ人的被害は過去最悪だった2023年度の197件(218人、うち死亡6人)を大幅に上回るペースだ。河川を通り道としているのか中心市街地にも出没しており、人々の不安が高まっている◆こうした事態の要因として、個体数の増加や狩猟者の減少、餌のドングリの不作、緩衝地帯であった里山の荒廃などが指摘されている。熊を駆除せざるを得なかったハンターがテレビの中で合掌していた。その姿は、人と自然との適切な距離やその応報といった問いを我々に投げ掛けていた。(佐藤慎太郎)

涅槃金

12月24日

僧侶が旅に出る際に、途中で病気や不慮の死に見舞われて他人に迷惑をかけることを予想して、あらかじめ袈裟文庫や頭陀袋の中に入れておく若干の金銭を「涅槃金」と呼ぶ◆修行僧は修行…

大音量のラジオ

12月17日

1年前、山陰の山奥にある実家の母が「ぽっくり往生」したのだが、慌てて駆け付けたその日の夜、父が大音量でラジオをかけたまま寝るという奇妙な振る舞いをした◆父にはラジオを聞く…

なり手不足

12月10日

市職員とのホテルでの面会が問題視されていた前橋市長が辞職した。市議会議員らから辞任を求める声が上がったが、給与を半減した上で続投するなどと述べ、問題が明るみに出てから2カ…

宗教界歳末回顧 節目となる年、節目とする年(12月24日付)

社説12月25日

地球環境危機 宗教の叡智発信を(12月19日付)

社説12月23日

信仰と生活文化こそ糧 パレスチナの訴え(12月17日付)

社説12月19日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加