PR
購読試読
中外日報社ロゴ 中外日報社ロゴ
宗教と文化の専門新聞 創刊1897年
中外日報社「宗教文化講座」

大音量のラジオ

〈コラム〉風鐸2025年12月17日 14時00分

1年前、山陰の山奥にある実家の母が「ぽっくり往生」したのだが、慌てて駆け付けたその日の夜、父が大音量でラジオをかけたまま寝るという奇妙な振る舞いをした◆父にはラジオを聞く習慣があり、最初は妻を突然亡くした悲しみを紛らわすためだと思った。しかし、あまりにもうるさいので翌朝に苦情を言うと「あれは熊除けのためなんじゃ。最近はどこの家もラジオをかけて寝とるんじゃけえ」と真顔で答えた◆筆者の故郷の町では少なくとも30年ほど前から熊の獣害があり、我が家の裏山に箱わなや催涙スプレーが仕掛けられていたこともあった。ただ、近年は熊が民家に侵入する例もあるなど被害は深刻化している◆その日の午後、母の遺体を50㌔ほど離れた市内の葬儀会館に移すため葬儀社の車がやって来た。お別れに来た近所の方々が見守る中、父が葬儀社の社員に「最後に妻に自分の職場を見せてやりたい」と母が定年まで勤め上げた保育所の前を通って会館に向かうよう要望した◆父と筆者も一緒に会館に向かうため家は留守になる。すると世話役の一人が我が家の大音量のラジオにスイッチを入れた。DJの軽快な声や明るい歌謡曲が辺りに響き渡る。こうして母は残された者たちの精いっぱいの哀悼と、「人の死」という文脈の圏外からいや応なく迫る何かに包まれて50年以上暮らした自宅から旅立っていったのだった。(池田圭)

私と私たち

3月17日

釈尊は誕生直後に七歩歩き「天上天下唯我独尊」と発したとされる。現代日本の仏教界では、この言葉について「釈尊は決して、自分一人だけが尊いと言ったわけではない」と説明されるこ…

数の源泉

3月11日

先日の衆院選は、高市早苗首相率いる自民党が歴史的大勝を収めた。対照的に、新党を立ち上げ不退転の決意で臨んだ中道改革連合は壊滅的とも言える大敗を喫した。おおむね各種報道の予…

豚汁の魅力

3月4日

豚汁には人を引きつける不思議な魅力がある。豚肉と根菜を中心とした具材をみそで味付けした定番の汁物であり、調理法は至ってシンプルだ。しかしそれだけになかなか一筋縄ではいかな…

原発事故で避難の青年 ローマ教皇へ苦難の訴え(3月13日付)

社説3月17日

訪日研修で交流 実践現場で宗教の可能性学ぶ(3月11日付)

社説3月13日

民主主義は曲がり角か ネットが阻む考える力(3月6日付)

社説3月11日
「墨跡付き仏像カレンダー」の製造販売は2025年版をもって終了いたしました。
長らくご愛顧を賜りありがとうございました。(2025.10.1)
中外日報社Twitter 中外日報社Facebook
このエントリーをはてなブックマークに追加